■ペトペトおじさん成代り
アニメOPで皆に夢と希望を与えてくれたペトペトおじさん成代り。
成代り主は年若い男性。ペトペトおじさんならぬ、ペトペトお兄さん。
ペトペトの実の能力者で、能力はアニメ通り。
違うのは、動物好きの人間嫌いだということ。
元より動物に好かれるから、ペトペトの実の能力は主に人間に使用。
人間嫌いだから人を避けて生きている。海賊に遭遇したらペトペトの能力で完全服従させた後に海軍に通報。自分は姿をくらます。
海賊だけじゃなくて、場合によっては海軍もペトペトしちゃう。
本人はそんなつもりないけど、ペットと主人というよりは下僕と女王様。ペトペトされた人達はドMに目覚めれば良いんじゃないかな。
そのうち「あれ?今こいつには能力使ってないのに何か服従してる」と首を傾げれば良い。
昔から動物が好きだった。
心を通わせることが出来て、温かくて・・・
可愛くて、時には頼りになる。
そんな動物たちが大好き。
でも、人間は駄目。
奴等とは心を通わすことは出来ない。
何時だって僕を利用しようとするし、冷たくて怖い。
だから人間は大嫌い。
そんなそんな・・・動物が好きな僕が“あの能力”を手に入れたのは、もしかすると運命だったのかもしれない。
「ダニエル、お座り」
「こら、トニーは伏せ」
「悪い子だね、ナンシー。君は餌抜きだ」
黒い鞭を手に静かに言えば・・・“ペット”達は怯えた眼を僕に向ける。
そんなペット達を冷ややかな目で見た後、僕はそのまま鞭を振るった。
ペット達は苦しげに唸って地に伏す。
最初の頃は威勢が良かったけど、最近ではめっきり元気がなくなったように思える。
まぁ、その方が静かでずっと良い。
ペット達が何も言わなくなったことを確認してから、僕は洞窟の外に出た。
すると、僕の目の前に可愛らしい子犬が走り寄ってきた。
「おやおや・・・僕が出てくるのを待っててくれたの?」
すっとしゃがみ込んで手を差し出せば、その子は僕の手をぺろぺろと舐めて「ワンッ」と小さく吠えた。
「有難う。君は優しいね・・・」
そっとその子犬を抱き上げて頬擦りをする。
子犬を抱き上げたまま歩き出しながら、片手で電伝虫をポケットから出し、とある場所にかける。
《――、――》
電話の向こう側の人物がだるそうに応じる。
僕は子犬を優しく抱きしめながら、先ほどの洞窟をちらりと見る。
「・・・もしもし、海岸沿いの洞窟の中に――成人の男性2人と女性1人いますから。あぁ、三人とも海賊です」
静かにそう言った僕。先ほどまでいた洞窟の中には、ボロボロになって這いつくばる三人の――人間がいた。
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