■頭が可笑しい念能力者のおじさんがマギの世界で子供を誑かす話。
題『その名はハーメルン』
神出鬼没で、突然現れては子供の心を奪ってく。
奪うけど、その子供が大きくなったら手の平くるくるする。
手の平くるくるされた相手はただ只管に悲しむかヤンデレ化するか・・・ちょっと鬱っぽい話になりそう。
ストライクゾーン10代まで。20代は前半がギリギリ。それ以上は論外。
内心は下心満載だけど子供にはそれを悟られないようにしてるから、子供には大人気。大人にもある意味大人気。
相手はたぶんシンドバッドとかジュダルとか。
シンドバッドが泣いて縋ったりする。ジュダルはそんなシンドバッドや他の被害者を見てて自分の年齢がギリギリだってわかってるから、ちょっと鬱っぽい。大人になりたくない。
小さな子供が街を歩いていた。
細く小さな腕に抱えられたのは母親に頼まれて買ってきたパン屋のバゲット。
早くそのパンを母親に届けようと小さな足で前へ前へと歩みを進めていたその子供は、ふと自身に向けられた“視線”に気
付き足を止める。
視線を感じるのは細い路地から。
まだまだ好奇心の方が勝るその子供はその視線の正体が知りたくて路地へと足を踏み入れる。
建物と建物の間にある細い路地には太陽の光は殆ど入ってこない。
真っ暗なそこに子供はぶるりと震えた。
その時だ。ただでさえ薄暗い中、子供の身体に影が差す。
驚いた子供が顔を上げると、そこに“男”はいた。
男はゆったりと口を開き言う。
「やぁ、ぼぅや」
暗闇の中、男がにこりと微笑んだ。
優しい優しいその微笑みに、子供もついつい笑った。
・・・最近、この街では子供の行方不明者が多いらしい。
※主人公視点(×シンドバッド)
「○○!!!」
名を呼ばれ、半ば反射的に振り返った。
そこに立っていたのは一人の男。
「俺だよ!シンドバッド!・・・覚えてるだろう?」
シンドバッド?
脳裏に甦るのは、綺麗な紫髪の可愛い可愛い少年の姿で・・・
けれども目の前にいるのはやけにガッチリした大人・・・というか、おっさんの姿で・・・
あぁ、成程。
「大きくなったねぇ」
「あぁ!だから○○、これからは一緒に――」
「んー・・・おじさんねぇ、年増には興味ないんだよねぇー」
ぴしりと固まるシンドバッドの顔。
それを気にせずに「ばいばーい」とそう言って背を向ければ、しばらくしてシンドバッドの嗚咽が聞こえた。
あーあ、昔はあんなに可愛かったのに。
残念だなぁ。
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