■スタンド使いが進撃世界へトリップ
名前:○○
《デフォルト名:ウィン》
DIOの部下。
ジョースター一行に敗れ、目が覚めるとそこは広大な森の中だった。
スタンド能力を駆使して巨人から身を守る。
当然、進撃知識は無し。
自分を『下賤な』や『醜悪な』などと表現する分には自分を卑下しているがその能力は高く、DIOや他の部下たちも一目置いていた。
金髪に緑の目。
(DIOと同じ金髪なのを畏れ多いと思っている)
(DIOに『ふむ。まるでエメラルドのような美しい瞳だ。このDIOの傍に相応しいだろう』と言われたことがあるため、誇りに思っている)
長身。
普段は意外と筋肉質。
深緑のロングコートにブーツ着用。
(暑いカイロでも厚着だったため、テレンスには再三コートを脱げと言われていた)
■スタンド能力
『永久なる樹木《エターナル・ウッド》』
植物を操る能力。
植物であれば大きな樹木から小さな雑草まで、建物に使われている材木すら操れる。
(が、カイロでは植物自体が少なかったため、常に植物の種を持参していた)
スタンドの背格好は主人と同じ程。木の仮面を着け、全身が植物で覆われている。
水を操るンドゥールとは相性が良かった。
この世界の人類は一度滅亡でもしたのだろうか。
広大な森。木々は長年手入れがされていないようで、背は高く深緑の葉が覆い茂っている。
何処を見渡せど、人の住む気配はしない。
気付けば私は見知らぬ地に居た。
「・・・DIO様」
我が最愛の君主、DIO様はどうなったのだろうか。
ジョースター一行に敗れた私。
死の感覚はなかったはずだが、もしかしたら気付かぬうちに私は死んだのかもしれない。だとすれば、此処は死後の世界なのだろうか。
「天国、か」
DIO様が一度だけお話くださったことがある。
DIO様の真の目的。天国への道。
「・・・いや、違うか」
下賤な一介の部下であるこの私が、DIO様より先に天国へと至れるわけもない。
きっと此処は、地獄か何かなのだろう。
地獄ならば、私と同じようにあの方の部下であった奴等もいるのだろうか。どいつもこいつも、天国よりは地獄が似合いそうな奴等ばかりだったからな。
あの中で唯一光り輝いていたのはDIO様。DIO様以外には、有り得なかった。
DIO様・・・
「私は、少しでも貴方の役に立てたでしょうか・・・」
下賤な私ではありますが、崇高な貴方に卑しくも焦がれた私ではありますが・・・
貴方への愛は、紛れもない本物だったと・・・そう思うのです。
ズゥゥウウンッ
「・・・ん?」
地響き?
深く重い音がどんどんこちらに近付いてきている。
これは一体――
「なっ!?」
私は自分の目が大きく開くのを感じた。
こちらに走ってきている人型のソレに。人ではない、ソレに。
「・・・巨人?」
そう、巨人だ。まさに巨人。
身体のバランスが可笑しいことや、あるべき生殖器が見当たらないことや、可笑しな部分はいろいろあるのだが・・・こちらに走ってきているのは、総合的に考えて“巨人”に他ならなかった。
こちらに走ってきた巨人。明らかに友好的な存在ではなさそうだ。
現にこちらに手を・・・
「っ、永久なる樹木!!!」
スタンドを発動させ、周囲の木々が巨人の手を阻む。
「スタンド能力は使えるようだ・・・」
ズゥゥゥウウンッ
「!・・・こっちもか」
振り返れば、もう一体こちらに近付いてくる巨人の存在。
私は小さく舌打ちをし、スタンド能力を使ってその場から一気に高い木の枝へと移動した。
木が此処まで大きくなれば、自然と枝も太く大きくなる。この分だと、ある程度の事では折れやしないだろう。
「・・・何なんだ、此処は」
目下を見てみれば、先ほど私に手を伸ばしてきた巨人がこちらを見上げている。
それだけではない。
少し離れた場所にも、随分離れた場所にも、ソレと同じ巨人がうじゃうじゃといた。
大きさも個体差があるのだろう。
小さ目の巨人や、下手すればこの枝よりも大きな巨人が・・・
「・・・移動するか」
永久なる樹木の能力で道を作り出し、すたすたと歩き出す。
巨人はこちらが物音を立てなければ気付かないようだ。が、時折遠いところから走ってくる巨人もいる。・・・何か法則でもあるのか?
わからないことばかりだが、まぁ・・・
「植物が多い中なら、私のテリトリーも同然だな」
生き残る自信はある。
私はこちらへ走ってくる巨人を尻目に、再びスタンドの能力を発動させた。
この後の展開としては、そのまま森で過ごして調査兵団の目撃情報が上がるか、勝手に壁をよじ登って街にもぐりこむか・・・
もし調査兵団に入れば、ずっと着てたコートはたぶん兵長に洗濯される。
2015/9/13戻る