■相澤消太のサイドキックがただのお世話係な件。
A組の副担任。
(ヒーロー科、特にA組は危険を伴う授業が多いため・・・という無理やりな設定)
真面目だけど融通が利かないわけじゃない。
相澤のサイドキックとして相澤のよりよいヒーロー活動の為に尽力(真面目ゆえ)してたら何時の間にかお世話係になっていた。
相澤の体調管理とか持ち物の管理とかも彼の仕事。というか相澤は自分の持ち物が何処にあるかよくわかってない。
相澤の世話をしてなきゃ落ち着かない。相澤も相澤で、何時の間にか彼無しじゃ生活し辛くなってきていた。
目下の目標は、相澤が寝袋じゃなくてベッドで眠るようにすることと、食事をゼリー飲料からちゃんとした固形物に変えること。
個性はたぶん『水を操作する』。
常に水の入ったペットボトルを持ち歩いてるけど、空気中の水分とか体内の水分とかでも戦える。ただし空気中の水分は集めるのに時間がかかるし、体内の水分はいずれ枯渇する。
(やろうと思えば他人の体内から水分を奪い取れるが、出来るだけそれはしたくない。下手すると相手を一瞬でミイラにする敵になってしまうから)
でも普段の個性の使い方は、主に相澤の頭を洗ったり顔を洗ったり目の潤いを保たせること。ぐるぐるっ!と空気中で水を回転させれば簡易洗濯機にもなる。主に相澤の洗濯物。
相澤との関係は世話をする者とされる者。長年の付き合い故、言葉がなくたって相澤が今何を求めているのかわかる。
別に付き合ってるわけじゃないけど、たぶんもうお互いがいないと生きてけない。相棒とかそういうのを超えた、運命共同体。
普段は『相澤さん』と呼んでいるけれど、たまに『消太さん』と呼ぶ。
相澤は基本名前呼び。
※雄英初日ネタ
「相澤さん、そろそろ教室に向かいませんと」
「・・・あー」
「仕方ありませんね、寝袋ごと引きずって行きます。あ、これゼリー飲料です」
「おー」
「初日なんですから本当はシャキっとして欲しかったのですが・・・こんなことならもう何時間か早く一緒に行動すべきでした。駄目ですよ相澤さん、寝袋じゃなくてちゃんとベッドで寝なきゃ。そもそも何故職員室で寝てたんですか?まさか家に帰ってないなんて言わないですよね?ご飯はちゃんと食べてますか?僕が出張中、また不摂生な生活をしていたんじゃないですか?・・・相澤さん?聞いてます?」
「おー」
「引きずられながら寝ないでください。そろそろA組に到着しますから、ちゃんと起きてくださいね」
「・・・○○、もうちょいスピード上げてくれ。今良い感じの揺れ方してて寝そうになる」
「・・・寝袋から出て歩き出す、という発想は無いんですか」
そう言いつつ少しスピードを上げて相澤の入っている寝袋を引っ張りすたすたと歩き進めるキチッとしたスーツ姿の男に相澤は「そう言いつつもちゃんと実行してくれるお前ってやっぱ役に立つわー」と眠そうな声で言った。
※USJ編ネタ
黒霧の個性により生徒と共に飛ばされた○○が戻ってきた時、目の前にあった光景は酷いものだった。
自らがサイドキックを勤めるヒーローが地に伏している。
脳無と呼ばれた敵にその身体を押さえつけられ、両手をぐしゃぐしゃに折られて・・・
「その人から手を放せッ!」
彼は怒りに満ちた声を上げ、自らの個性を発動させた。
運が良いことにすぐ傍には大量の水がある。
その大量の水が波打ち相澤と脳無を飲み込む。突然の水圧に脳無の拘束が一瞬緩んだその隙に水は相澤の身体を○○の元へと流す。
水のクッションで相澤を受け止めた○○はその腕にボロボロの相澤を抱きながら敵を睨む。
「あっれー、あんたもしかしてイレイザーヘッドのサイドキックの・・・あー、何だっけ?」
敵である死柄木の言葉に「僕のことなんてどうだって良い」と睨みを強くする。
「おぉ怖っ、ヒーローがそんな顔して良いのかよ」
「生憎、こういう顔は敵にしか向けないと決めているんで・・・!」
言葉の最後に加圧された鋭い水を敵に浴びせる。
ウォータージェット切断という水を用いて刃のように切断する技法があるが、彼が敵に浴びせた攻撃はまさにソレだ。
金属さえも容易に切断できる鋭い水の刃は敵である脳無の腕へと突き刺さりその腕を奪った、はずだった。
「・・・自己再生か、厄介だな」
腕を失ったその部分がぼこぼこと波立ち、直ぐに真新しい腕が生える。
○○は舌打ちをし、相澤を抱える腕の力を少し強めた。
「ごほっ・・・○○、無茶はするな・・・」
「相澤さん、静かに」
「俺を降ろせ、戦いづれぇだろ」
「満身創痍の貴方が人質になる恐れが一番高い。そうでなくとも、戦いに巻き込まれこれ以上負傷をされては困ります」
これは合理的判断です、と○○は言い切る。
そもそも、相澤を降ろすという動作そのものが隙でしかないのだ。脳無という敵を睨みつけ、他の敵の動きにも注意し、尚且つ生徒の安全にも配慮し・・・
正直言って一人で全てを熟すなど無理な話なのだ。たった少しの隙が全ての破滅へと繋がる。
腕の中には死にそうな人を抱えている。密着する身体から感じる体温が唯一安心できるもので、○○は深呼吸をし精神を統一させた。
「他のヒーローが駆け付けるまで、死ぬ気で相手をします」
○○の個性により自由自在に動く水が敵に襲い掛かる。間違っても生徒達のもとへ敵が行かぬように、間違っても腕の中のヒーローが死んでしまわないように。
↑敵と対峙している時は平気だったけど、病院で二人きりになるとたぶん泣く。
「相澤さん」
「んー」
「相澤さんっ」
「おー」
「相澤さんっ、相澤さん、相澤さん・・・」
「おー、泣くな泣くな」
「ごめんな、さいっ、僕、相澤さんのサイドキックなのに、肝心な時に傍にいなくてっ、だから、相澤さん、僕・・・」
「お前は間に合ったじゃねぇか。俺は生きてる」
「相澤さん、相澤さん相澤さん相澤さん・・・消太さんっ」
「おー」
「生きててくださって、有難う御座います」
「こっちこそ、ありがとな」
退院後、包帯塗れの相澤を完全サポートする。
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