×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -




■爆豪勝己のダチの個性はゾンビマン



勝己がクラスメイトにモブだの雑魚だの言っている時に突然登場する、これまた突然普通科に編入してきた生徒。


「こら勝己!お友達にそんなこと言っちゃ駄目だろ!」


「・・・○○、何で手前が此処にいるんだよ」

「うっわ、嫌そうな顔するなよ勝己ぃ。折角お前のダチが海外留学から帰って来たってのに」

「うるせぇ!そんな話、俺は知らねぇぞ!」

「言ってないからねぇ。ほら、サプライズってヤツ?勝己の驚く顔が見たくって、おばさんにも黙ってて貰ったんだ。吃驚しただろ?あ、それとも何か?前もって俺が帰ってくること分かってたら、盛大に出迎えてくれるつもりだった?それはそれで良かったかもな!」

「黙れクソ野郎が!」

「魔性のクソ野郎である勝己にそう称されるとは、俺はもしかして今世紀最大の悪役なのかもしれないな。おや?ということは将来ヒーローになる勝己は俺の敵!何てことだ勝己!俺とお前はダチであると同時に敵同士!これはまさに少年漫画的展開!胸が躍るねぇ」

「何一人で盛り上がってやがる!殺すぞ!」

「殺されても生きる!何故なら俺がマジで死んだら勝己が悲しむから!俺はダチと認めた相手には常に全力且つ真摯に接するというのを信条にしているんだ!」

「手前の信条なんて知るか!」

「あ、因みに何だかんだ俺がダチだってことを否定しない勝己を心底愛してるよ」

「きめぇよ死ね!」

「だが生きる!」





「ってか、お前なんでヒーロー科に編入しなかったんだよ、クソ○○」

「あれ?もしかして怒ってる?おこ?おこなのか?いやー、俺の個性でヒーローはなっちゃ駄目だろー、下手すると同業者に敵と勘違いされちゃうし、世間の皆様にトラウマ植え付けちゃうかもだしー」

「敵倒せればなんだって良いだろ」

「駄目駄目ぇ、俺の戦闘風景ってただのスプラッタだし。血みどろ系はお茶の間が引いちゃう引いちゃう」

「・・・クソが」

「俺が居なくて残念なのはわかるけど、休み時間ごとに会いに来るから大丈夫!会いに来るついでに勉強教えてくれるとありがたい!これぞギブアンドテイク」

「俺は何も得してねぇじゃねぇか!」

「勝己は俺に会えてハッピー、俺は勝己に会える且つ勉強教えて貰えてハッピー!ウィンウィン!」

「確実に手前の方が得じゃねぇか!」

「仕方ないなぁ、勝己は欲張りの我が儘さんだからなぁ・・・よし!じゃぁ勝己に会いに来るのに加えて勝己のお喋り相手になってあげよう。勝己、まともな会話できる人いなさそうだし」

「舐めてんのか!殺すぞ!」

「まぁまぁそう怒るなって。あ、皆さんこんにちはー、勝己のダチやってる○○って言います。普通科です。あ、勝己そういえば駅前に旨そうなハンバーガー売ってんの見たんだけど、帰りに食べに行かね?」

「・・・お前の奢りだかんな」

「もちもち!」






「え?俺の個性?死んでも生き返るゾンビマンだけど?」

マジで殺されても生きる人でした。





勝己の友達だけど、出久とは知り合いじゃない。
ゾンビマンだから、捨て身の特攻とかが得意。自分の身の丈に合って無い巨大な武器とかも、筋肉とか骨とか犠牲にして扱える。
もちろん痛覚はあるけど、小さい頃から死に過ぎて反応が希薄。しかも死ぬ原因が両親からの暴力とかだったらたぶん彼の心の闇を救ったのは勝己。
(虐待じゃなくても、両親が研究者で彼を使ったいろいろな実験をしてたとか、そういうありきたりな設定でも美味しい)

明らかに光側じゃなくって闇側の個性で、虐待の原因もたぶんソレ。
自分はいつか敵(ヴィラン)になってしまうのかもしれないと怯えていた彼に勝己が「お前が敵(ヴィラン)になったら、俺がソッコーで殺してやる!」って約束してる。
「勝己が俺を殺してくれるから、俺は安心して生きていける」と言うが、事情を知らない人から見れば明らかに異常。事情を知ってても異常。

自分が悪い敵(ヴィラン)になったら絶対に殺してくれる人がいる。生き返っても殺し続けてくれる人がいる。彼にとってはそれは救いだった。

彼にとっては爆豪勝己は本物のヒーローだと良い。




■■■




「あー・・・死んじゃったぁ」

血みどろぐちゃぐちゃ、地に伏したはずの少年の軽い声が響いた。

「駄目だよ駄目駄目、そんなんじゃ俺は殺せない」


「俺を殺すのは俺の親友だけだ」



2016/7/28




戻る