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僕の恋人は可愛い子。



「名前君・・・」

「なぁに、荒井君」


「・・・昭二です」

「なぁに、昭二君」



名前を呼ばなかっただけで、ちょっぴり拗ねた顔をする僕の恋人。

可愛い可愛い、僕の愛しい子。



「あの・・・お昼、です」

「うん。そうだね」



「・・・・・・」

あぁ、僕をお昼に誘おうと頑張って言葉を探してる。


昭二君は僕に嫌われたくないから、下手な言葉を選ばないように一生懸命。

別に、僕はそう簡単に昭二君を嫌いになったりしないのにね。







「だ、誰かと・・・約束してたり、しますか?」



「そういえばさっき、クラスの子に誘われたかも」

「ぇっ・・・」

ショックを受けたような顔。可愛い。




「そ、そう、ですか・・・」



「でも断ったよ。昭二君と食べるから」

「!!!!!」



大きく見開いた目が可愛くって、食べちゃいたい。

昭二君の目は黒くてまんまるだから、きっと黒飴みたいに甘いんだろうなぁ。


でも、僕に目を食べられちゃったら、昭二君は泣いちゃうかな?

泣いちゃった昭二君もとっても可愛いから、ついついやってみたくなる。まぁ、昭二君のおめめは二つしかないから我慢するけどね。





「昭二君が一生懸命僕を誘おうとするから、意地悪しちゃった」

あははっと笑いながら言うと、昭二君は俯いてしまった。


どうやらからかわれたことを知って、落ち込んでいるらしい。







「酷いです・・・名前君」

ほら。ちょっと涙声。


おめめを食べちゃわなくたって、昭二君は簡単に泣いちゃいそうになるんだね。

少し下を向いて抗議する昭二君に僕はにこにこと笑ってしまう。



これが笑わずにいられるわけがない。








「昭二君が可愛いから、ついつい意地悪しちゃうんだ」



ごめんね?と昭二君の頭を撫でた。

すると見えている耳が真っ赤になって、その身体がふるふると震えだす。





「べっ、別に・・・僕は気にしてません」

愛ゆえなんだよってことを伝えれば、昭二君の機嫌はとたんに良くなる。

少しチョロ過ぎるけど、そこも可愛い。愛してるよ。




「何処で食べる?」


「お、屋上で・・・」

「そうだね。あそこはあまり人がいないもんね」


そもそも、屋上の鍵が開いていることを知ってる人が少ないんじゃないかな。





「僕と二人きりになりたかった?」

「・・・名前君は、嫌・・・ですか?」


嫌なわけない。

けど僕って意地悪だから、わざと「んー、どうだろうなぁー」と考える素振りを見せる。


ほら。昭二君ったら、ドキドキと期待したような不安になったような顔で僕を見つめてる。






「嘘だよ。僕だって昭二君と二人っきりになりたい」


ちょんっと昭二君の唇を指で押せば、昭二君は真っ赤になってそっぽを向いてしまった。流石に恥ずかし過ぎたかな?

でも真っ赤な昭二君は「は、早く行きましょう」と言いながら歩き出す。やっぱり二人きりになりたいんだね。焦らなくたって良いのに。






「昭二君、手でも繋ごうか?」

「だ、駄目です・・・まだ」


「じゃぁ、屋上で沢山繋ごうね」

あぁ、けど・・・





「・・・抱っこの方が嬉しい?」




昭二君が涙目でこちらを見た。


恥ずかしさで可笑しくなっちゃいそう?

真っ赤なお顔がたまらなく可愛い。






「屋上についたら、ね?」

笑顔で言えば、昭二君はがしっと僕の腕を掴んで歩き出した。


さっきより少し歩くのが早くなってる。







嗚呼・・・

僕の恋人は、本当に可愛い。







加虐趣味の思考




だから、もっともっと虐めたい。




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