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「・・・好きだ、綾小路」


「え・・・?」

「お前を好きになった。もちろん、恋愛感情的な意味で」


ぎゅっと握られた手、至近距離にある真剣な顔。







所謂告白と言うものを受けた綾小路は、自らの顔に熱が集まるのを感じた。


気持ち悪いとか、そういった類の感情は湧いていない。

カァッと赤くなった綾小路は「あ、ぇとっ」と言いながら視線を漂わせた。


どくどくと高鳴る鼓動。

返事が悪い物ではないことは、容易に想像出来る。






「一生幸せにする。好きなんだ、綾小路のことが」


「ぁ・・・」

「駄目か?」




一生。

その言葉に綾小路はぴくりと反応した。


気持ちはとても嬉しかった。正直、すぐにでもOKしたい。

けれど脳裏に浮かんでしまう・・・あの悪魔との契約。


綾小路の表情が少し暗くなった事にすぐ気づいた名前は、綾小路の言葉を静かに待つ。







「き、気持ちは嬉しい。けど、その・・・」


小さく「大川が・・・」と呟く綾小路に、名前はにっこりと笑う。

何だそんなことか、とでも言いそうな表情だ。


名前には大川のことを相談したこともあったし、大川が悪魔だと知っているはずだ。

なのに何故そんな表情が出来るのか、綾小路は不思議でならなかった。






「じゃぁ、大川が消えれば問題ないな?」

「・・・え?」


一体何を言っているのだろうか。

綾小路が理解できぬ間に、名前の手はぱっと離れた。


こんな時だったが、それがやけに名残惜しく感じてしまった時点で、綾小路も心底名前に惚れているのだろう。



「じゃぁ、ちょっと殺してくるから、綾小路は良い子で待っててくれよ」

にこにこと笑いながら言う名前に、綾小路はやっぱり状況が理解できない。


え?え?と声を上げる綾小路の頭をぽんぽんっと撫でて、名前は・・・













「死ねや、この低級悪魔め」






ズドンッと大川を拳銃で撃ちぬいた。



頭を打たれた衝撃で後ろへと倒れ込んだ大川だったが、すぐに呻き声を上げて立ち上がろうとする。


それを見てすぐに名前は大川の腹にもう一発。続けざまに歩けないように両足に一発ずつ。

痛みで転げまわる大川を汚物を見る様な目で見下ろしつつ、ポケットからじゃらっと何かを取りだした。


それが十字架だということや、名前の口から流れる様に謳われるのが聖書の一文だということは、苦しみ悶える大川に果たして理解できただろうか。




まぁどちらにせよ、大川の動きはどんどん鈍っていき・・・


最後にはぴくりとも動かなくなった。





「・・・よし。完了」


拳銃を懐に仕舞い、十字架もポケットの奥底へと仕舞った名前は、鼻歌交じりに綾小路の元へと帰って行った。










残された大川の遺体は・・・



「あー、あったあった」

至って普通な、何処にでもいそうな男たちによって囲まれた。


特徴を述べろと言われても難しい程、彼等は普通で平凡な見た目をしていた。道端で出会っても、すぐに忘れてしまいそうな、そんな存在だ。

彼等が唯一普通じゃないところと言えば、遺体があるというのに特にそれに関して驚いた様子もなく、それぞれゴミ袋やらロープやら包丁やらを取り出し始めるところだろうか。





「にしても名前さん・・・人遣いが荒いよなぁ。悪魔の処理するなら、せめて連絡の一つでもしてくれたらこっちも早く動けるのにさぁ」

「あれ?この悪魔って、名前さんが『要観察』とか言ってた低級悪魔じゃね?何で突然処理する気になったんだろ」

「ばぁーか、知らねぇのか?この悪魔が取り憑いた人間って、名前さんがお熱だった人だぜ」


「マジかよ!そりゃぁ、この悪魔・・・運が無かったなぁ」

「あぁ。取り憑く人が別の人だったら、長生きできたのによぉ・・・」

「なんか、同情するぜ」


「まぁな。あ、ゴミ袋足りるか?コイツ、贅肉塗れで袋が足りねぇよ」

「おー、あるある。にしてもくせぇなぁー・・・やっぱ同情すんのやぁーめた」



彼等はそれぞれゴミが詰められた袋を手に「あーぁ、だるいなぁー」とその場を去って行った。


大川の遺体があったはずの場所には、血痕の一つも残ってはいなかった。













「綾小路、お待たせ」

「え、あ・・・ど、何処行ってたんだ?名前」


割と早くに帰ってきた名前に、綾小路は慌てて近づく。

特に怪我をした様子も悪臭が移った様子もない名前に心底ほっとする。





「大丈夫。大川はもう処理しておいた。だから、何も心配することはない」

「えっ?け、けど大川は悪魔で・・・」


「黙ってたけど、俺ってエクソシストなんだ」

「は!?」



「ごめんなぁ。もっと早く助けてあげることも出来たけど、大川って臭くてウザいってこと以外別に害のある悪魔じゃなかったし、要観察ってことで後回しにしてたんだ」



あまりにさらっと明かされる真実に綾小路はやっぱりついてはいけない。

けど・・・





「好きだ、綾小路。返事を聞かせてくれ」


「よ・・・よろしくお願いします」




とりあえず告白の返事は決まっていたようだし、そんなことは追々理解すれば良いと思う。





悪魔が犠牲となったのだ






エクソシストとお姫様の、ハッピーエンドの踏み台となるために。←




エクソシスト主。
たぶんそういう家系。←
大川君をゴミ袋で片しちゃったのは、たぶん主人公君家で働いてる人とかお弟子さんとか。

ある程度の悪魔なら瞬殺出来るけど、あえて苦しませてみたというドSさも持ち合わせている。←
好きな人は甘やかすタイプ。←

・・・という、とんでも設定な話でした。
駄文すみません。




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