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名前は出来た男だと、クラスの奴等は言う。

それを聞いて、僕は言う・・・






『当たり前だろう!僕の隣にいるなら、何だって出来なくっちゃ!!!』






僕ほどじゃないけど顔も良くて、成績もそこそこ良くて、よく気が付いて、力も強くて・・・

おまけに面倒見が良くって、僕が我が儘言っても怒らない。


他の人にも優しく接してるけど、正直名前は僕の言う事だけを聞けば良いと思う。



名前は僕の。これは決定事項。

この独占欲の理由が何なのかって、僕にはすぐにわかった。







「名前好き!!!」


わかったらすぐに伝える。

伝えず胸の中で燻らせておくなんて、僕の性に合わない。





「お、おう」

折角僕がはっきり伝えてあげてるのに、当の名前はそう言って頬を掻くばかり。



何だよそれだけかよ。

そう思って名前を睨みつけると・・・







「照れてる?」



「そ、そりゃ・・・突然好きとか言われたら照れるだろ」

名前が赤くなっているのに気付いた。


あぁそうだった。名前はそういう男だ。


出来た男だと称賛されてる彼の唯一の弱点にして、最も可愛いところ。





彼は照れ屋なんだ。




ちょっと褒めただけでも、照れて言葉を詰まらせる。

こうやって照れているということは、少なくとも僕の言葉に嫌な気はしていないのだろう。


赤くなった顔を隠すようにそっぽを向いてしまう名前に僕はによによと笑う。








「何なにぃ?僕に好きって言われて、そんなに嬉しかったのー?」

「やめろ・・・くっつくな」


そう言いつつ、絶対に振り払ったりしないよね、名前って。






「名前は?僕の事好きー?」

「・・・・・・」


「名前〜?」

だんまりな名前。


・・・全く。僕が折角好きだと言ってるんだから、ちゃんと返事してくれたって良いじゃないか。





「僕も言ったんだからさぁ」

「・・・だ」


「んー?」





「す、好きだ」


「・・・すっごい真っ赤だね」

名前は真っ赤な顔のまま、ついに僕に背を向けてしまった。


ちょっとやりすぎたかな?




「ねぇ、名前〜」

「・・・・・・」


「好きだよー、名前」

「・・・・・・」



・・・ほんとうにだんまりを決め込むつもりだな!?名前の癖に生意気!!!





「・・・もぅ」

僕はぴとっとその背中にくっ付く。

びくっと名前の身体が震えたとしても、気にしない。



温かいその背中に頬を摺り寄せ「ねぇってばぁ」と甘えた声を出す。


僕がこんなことしてあげるのは名前だけなんだから、名前はもっと大々的に喜ぶべきだと思うんだよね。





そんな黙ってないでさ、こっちを向いてよ。

僕はこんなにも名前のことを・・・










「・・・愛してるよー」


ぽそっと呟いた言葉はきっと名前に聞こえてた。

だって耳、もっと赤くなったから。





茹で蛸みたい





まぁ・・・その反応が可愛いから、だんまりでも許してあげる。




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