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最初は僕は何処にでもいる学生だった。

だけど僕は不慮の事故・・・交通事故でスプラッタになって死んだ。即死だった。




次に僕は忍者だった。

暗部ってところに所属していて、同期で親友だったイタチが里と家に板挟みにされていることを知って、陰ながらイタチの助けに入ったりした。


けどいろいろあって、うちはのマダラって奴に殺されて死んだ。即死じゃなかったけど、じわじわ全身の感覚が抜けていく感じて死んだから、苦ではなかった。




次の僕はマフィアだった。

最初は普通に学生生活してたのに、クラスメイトのツナ君と仲良くなったらマフィアになってた。


で、雪の守護者とやらになった僕は、大人になってボスであるツナ君を庇って死んだ。白蘭の攻撃は結構鋭かったからほぼ即死。けど結構痛かった。




次の僕は死神だった。

護廷十三番隊のどの隊にも所属しない、特例の十四番隊のただ一人の隊員にして隊長だった。


尸魂界が重大な危機に直面した時にのみ出動する隊で、普段はそれを隠して他の隊に所属していた。


ある日尸魂界は謎の壊滅現象に襲われた。尸魂界が少しずつその形を保てなくなったのだ。どうにかするためには、誰か霊力のもっとも高いものが人柱になるしかなく、僕がそれを引き受けて人柱になることで尸魂界を救った。

身体からどんどん力が抜けて干からびていくのは、死ぬ間際までゾッとしていた。怖かったけど、きっとこれで良かったんだと思う。




次の僕はエクソシストだった。

AKUMAだか何だからからないけど、取りあえず戦った。

けれど正直、人類とかどうでも良かったし、適当に戦った。


前の前の世界のツナと似たり寄ったりなお人よしのアレンとはなかなかに良い友人関係になったけど、最後は彼の目の前でノアに殺されて死んじゃった。アレンの絶望的な顔は忘れられないが、それよりも生きたまま心臓に穴をあけられるのは凄く痛かった。




次の僕は兵士だった。

心臓を捧げよと言われても、正直気分がのらなかったけど、取りあえず巨人と戦った。


人類最強と並んで人類最狂なんて呼ばれちゃってたけど、最後は他の兵士たちを逃がすために食われて死んだ。噛み砕かれるのは痛かった。




そうして次の僕は――





「今こうして、暗殺一家の長男というわけです」





「・・・それ、本気?」

僕はこの世界での弟のイルミに無表情でそう言われた。

ま、信じてもらえるとは思ってなかったし、イルミの反応に落胆などしない。




「イルミが聞きたいと言ったから話しただけですよ。まぁ、ミルキが聞けば『中二病』などと言われるでしょうけどね」


甘えたな弟のイルミは、よく僕の膝に乗る。

今だってベッドに腰かけていた僕の膝に我が物顔で座っているイルミ。


イルミはそのままの体勢で「別に信じてないわけじゃないよ」と言う。




本気でそう思ってくれているのかそうではないのかは、イルミの無機質な声色からではわからない。顔はこちらに背を向けられているせいで見えない。




「別に信じてないわけじゃないけどさ、証拠とか見せられる?」

「証拠、ねぇ・・・」


僕は仕方なく、イルミを一旦横へとズレてもらって印を組み『火遁・炎弾』と言って口から火を噴いてみた。もちろん、本気でやったら部屋が火事になるから力は抑えたけど。

続けざまに僕は死ぬ気の炎を宿してみたり、死神だった頃の鬼道を使ってみたりした。





流石にイノセンスや立体機動装置は持っていなかったから証明のしようがなかったが、僕の普段の異常なほどの身体能力やワイヤー一本でいろんなところへヒョイヒョイ飛んでいく様子を見ているイルミなら、証拠を見せずともわかるだろう。






「・・・まぁ、全部が念だろうと言われてしまえば終わりですけどね」

「そうだね」


軽くそう言いながら再び僕の膝の上に戻ってきたイルミ。

先ほどとは違うのは、イルミが僕に向き合う形で座っていることだろうか。




イルミは僕の首に腕を回しながら「けど、信じるよ」と言った。


甘えるように顔を寄せてくるイルミを受け入れれば、悪戯っぽく唇にキスをされる。






「けど・・・話によればナマエって、最後は酷い死に様なんだね。それは嫌だなー、俺」

「僕としても、痛い死に方は御免ですけどね」


「そもそも死なせないよ。俺が死なせない」

「・・・頼もしい弟ですこと」



冗談っぽく言えば、イルミが噛みつくようなキスをしてきた。

一応はそれに応えるけど、何故そんなにキスをしたがるのだろう。謎だ。






「それに、イタチとかツナとか藍染とかアレンとか・・・知らない奴等の名前ばっかり出してて、気に入らない」

「イルミが知らないのは無理もない。別の世界の話だし」


知ってたら逆に吃驚だ。

無表情でむっとしているイルミ。一応、イルミの感情の変化はお兄ちゃんだから何となくわかっているつもり。






「金輪際、前世とか別の世界の話禁止。ナマエが見るのは、俺だけで良いよ」

「・・・横暴ですね」



「嫌?」


「・・・ま、良いですよ」

そう返事をすると、イルミはまたキスをせがんできた。

全く持って、甘えたな弟で困るものである。




まぁ、可愛いから許すけど。







異世界駆け巡った男の話




あとがき

多重トリップ主、デフォルト名はクルイとか考えてみる。
トリップ先の経験をしっかり生かしてるゾルディック家長男と、そんな長男にべったりなイルミさんとか・・・。←



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