「ボリス先輩!」
名を呼ぶ声と、背中に感じた衝撃。
目の下に隈を作った民警――ボリスは「ぉっと・・・」と小さく声を上げる。
「・・・馬鹿。突然抱きついてくんな」
「えへへっ・・・ボリス先輩を見たら、ついつい抱きつきたくなっちゃって」
小さく笑ったナマエに、ボリスはちょっと呆れた顔をした。
しかし嫌がっている風ではなく、それなりに良好な関係であることが見て取れた。
ゆっくりとボリスの背中から離れたナマエは「先輩先輩♪」と言う。
相当ボリスに懐いているのだろう。
ボリスもボリスで、くすぐったそうだが、嫌ではなさそうだ。
「お前、毎回俺に抱きついてきて、どういうつもりなんだ?」
何気なくボリスが問いかけると、ナマエは「だって、先輩って抱きつきやすいんですもん」と笑う。
笑みの耐えないナマエに、ボリスはついつい苦笑する。
「あ!笑った!」
「笑っちゃ悪いか?」
「いいえ!良いと思います。素敵です」
にこにこ笑っているナマエは、
「僕、先輩のこと大好きです!愛してます!」
笑顔のまま言った。その瞬間、ボリスはちょっと固まる。
「は?今、何て・・・」
「?愛してますっていいました」
驚いているボリスに、ナマエまるで当然のようにいう。
「先輩は僕のこと、愛してくれないんですか?」
「なッ・・・そ、それは・・・」
「せーんぱい?」
笑顔でボリスを見ているナマエ。
ボリスはちょっとだけそんなナマエから顔を背け・・・
「・・・ぁ、愛してやるよ」
恥ずかしそうに顔を隠した。
目を輝かせたナマエ。
「先輩、先輩!これから、一緒に昼食行きませんか?」
「おぅ。行くか」
その返事にナマエは更に目を輝かせる。
「やった!先輩大好き!」
「ぉいおい、突然抱きつくなって」
また呆れたような声を出したボリスだったが、その顔は少しだけ嬉しそうになっていた。
突撃!今日の民警