ドクンッ、ドクンッ
心臓の音が実に煩い。
というか、これ以上心臓の動きが早くなったら、俺死ぬんじゃない?という一抹の不安さえある。
嗚呼、マジで俺が死んだらどうしてくれるんだ!
このッ・・・
「どうしたんだ?名前?」
クソ可愛いんだよ、源田この野朗ぅぅぅぅぅぅうううううううううッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「いや、なんでもないよ」
内心は大荒れだが、俺は紳士的にニコッと微笑む。
「で?何処がわからないんだ?」
「あぁ。此処なんだが・・・」
オカンで結構勤勉な源田が、珍しく俺に頼ってきた。
何でも、今度有るテストの範囲でわからないところがあるらしい。
偶然なのか、それとも知ってたからなのか、それは良く分からないが、源田が俺に頼んだ教科は俺が比較的得意な教科だった。
俺が源田がわからないと言ったところを答えるたびに・・・
「そうだったのか」
「凄いぞ、名前」
「おぉっ。こんな風に解くのか」
本当に嬉しそうに目を若干キラキラさせながら声を上げるお前が可愛すぎるんだよ!!!!!!!!!!!!!
何だか、犬の耳と尻尾が見えるよ!周りにはふわふわお花が飛んでる!!!!!!!!
何なの?!
幻覚なの!?
「名前は頭が良いな」
ふわっと嬉しそうに笑った源田に、俺のHPはどんどん減らされていく。
あ゛あぁぁぁぁあああ゛あぁぁぁああああああああああアアアああァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
俺の心臓を破裂させる気かぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「今度、お礼に何か奢ろう」
小さく笑いながらそういった源田。
今の俺は敏感にそれに反応してしまう。
「お礼?」
「あぁ。折角教えてもらったんだ。何かお礼をさせて欲しい」
律儀だなぁ。
「あ。だったら・・・」
「ん?」
ドクンドクンッ
相変わらず煩い心臓に、俺の言葉はかき消されなかっただろうか。
「源田の笑顔、ずっと傍で見させて欲しいなぁ。これからも、ずーっと」
我ながら臭い台詞を言った気がする。
「〜〜〜ッ///!!!!!!ぉ、俺の心臓を破裂させる気かっ!」
およ?
「ははっ。何だ、源田も同じこと考えてたのか」
笑いながら源田もモフモフした髪を撫でた。何これ、クセになりそう。
「ぉ、お前が教えるときに真剣な顔するからっ」
「俺はお前の笑顔に心臓ヤバかったぞ」
ドクンドクンッ
嗚呼、心臓の音、すっごいなぁ。
けど・・・
もしかすると、この大きな心臓の音は、
俺と源田の二人分の音かもしれないなんて・・・
また俺はちょっと臭い台詞を思いついてしまって、苦笑を浮かべた。
心音合奏曲
「で?返事は?」
「・・・ぃ、いぃだろう」
こくっと頷いた源田に、俺はつい満面の笑みを浮かべた。