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パクパクッ


モグモグッ




「名前ちゃん。もっと食べる?」


「んむっ!食う!」




目の前に積まれた団子やら最中やらをめいっぱい口に詰め込んだ名前は、コクコクッと頷いた。


それを見ながら「癒されるなぁっ」と声を上げた佐助は、早々デレデレした表情をしていた。






「佐助ぇ!美味いぞぉ!」

「そっかぁ。良かったねぇ、名前ちゃん」



「沢山食べたら、信玄公と殴り合い出来るようになるか!?」


幸村の弟である名前は、よく兄の真似をしたがる。

が、流石の信玄公も、こんなに小さな童は殴れないらしく、未だに殴り愛は実現していない。





「んー・・・もうちょっと先かなぁ」


困ったように笑う佐助に、名前は「道のりは長い!」と言いながら団子を頬張った。

佐助はそれを微笑ましそうに見つめている。





いろいろと扱き使われる佐助の唯一の癒しが名前だ。


兄の真似をして「佐助ぇ、佐助ぇ!」と言いながら付いてくる名前は、可愛いの一言である。






「名前ちゃんは、もうしばらくは小さいままでいて欲しいなぁー」


「むっ!某、小さいままは、やっ!」

ふるふるっと首を振った名前に「何でぇ?」と尋ねてみる。





「そうでないと、佐助や幸村、親方様を守れない!」

「・・・名前ちゃんっ!」


じーんっとくるものを感じた佐助は、名前のためにお茶を入れてあげようと――






すぱぁぁぁああんっ!!!!!!!


「佐助ぇぇぇぇぇええええええッ!!!!!!某の団子はどうなっておるのだぁぁぁぁぁあああ!?!!!??!?」




襖を破壊して部屋に飛び込んできた幸村に「兄上ぇ!」と声を上げた名前。





「むむっ!?名前っ、な、何故そのような大量の団子を・・・さ、佐助ぇ!?」


「旦那は食べ過ぎ。今日は名前ちゃんにあげたんだよ」

「そ、そんなっ!名前、そ、某にもくれ!!!!!」


「ん!兄上も食う!」




「かたじけない、名前!」

シュパッと名前の隣りに座った幸村は、ばくばくと団子を食べ始める。


それを見て、名前も負けじと食べ始めた。






ぁーあ。とそれを呆れたように見つける佐助。






「佐助ぇ!」

「ん?なぁに、名前ちゃ――」


ズイッと一本の団子が目の前に突き出される。




「佐助も、食え!」


「・・・っ、やっぱり名前ちゃんは俺様の癒しだよっ」




団子を受け取りながら、佐助はへにゃっと笑った。




可愛い癒し



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