ヒーロー。それは、僕ぐらいの子供の憧れみたいな感じ。
皆が好きなのは、スカイハイとかブルーローズとか?
僕?僕はね・・・
もう何年もヒーローをやっているベテラン、ワイルドタイガーのファンだ。
けど、それを友達の前で言うと何故だか笑われるから、僕は隠れファン。
実はカードもちゃんと持ってるし、グッズも持ってる。
何故ワイルドタイガーが好きなのかと聞かれれば、はっきりとは答えられない。
ただただ“好き”だった。
ワイルドタイガーのコスチュームが変わって、バーナビーっていう新しいヒーローとコンビを組んだ後も、僕は好きだった。
「・・・ぁ、あのッ・・・サイン、ください」
周りの友達は、少し離れた場所にいるバーナビーにサインを求めているから、僕がこっちにいることには気づいて無いと思う。
今までボーッとしていた彼は、吃驚したように僕を見る。
「へ?ぉ、俺で良いのか?バニーちゃ・・・ぁ、いや、バーナビーならあっちにいるぞ?」
「わ、ワイルドタイガーが良いんですッ」
「そっ、そうかぁ!嬉しいぞぉ」
グシグシッと頭を撫でられた。
ふにゃっと笑みが浮ぶ。
僕が差し出したカードにサインしてくれる彼に、僕は「有難う御座います」と笑う。
「僕っ・・・ファンなんです」
「本当か!?いや、本当に嬉しい!子供のほとんどはスカイハイとかバニーちゃんだもんなぁー・・・」
少し離れた場所にいるバーナビーをチラッと見てそういった彼に、僕は笑う。
「僕、ワイルドタイガーが・・・とっても好きです」
「そ、そんなにはっきりと言われると、ちょっと照れるな」
ポリポリッと頬を掻くワイルドタイガー。
「格好良くて、優しい、そんなワイルドタイガーが、僕・・・だぁーい好きです」
ふふっ・・・と笑いながら言うと、また頭を撫でられた。そりゃもう、くっしゃくしゃに。
大好きなヒーローに、これでもかってぐらい頭を撫でてもらって、これでもかってぐらいの明るい笑顔を見せてもらえて・・・
僕って幸福かも。
そう思うと、僕の顔にも笑みが浮んでいた。
貴方のファンです
あとがき
今回は『質問』の
【タイガー&バニーのおじさんの話を書いてください!!】
を実行しました。
やっぱり、バーナビーさんの次は虎徹さんですよね!!!!!←