〜おまけ〜
翌日、事務所にやってきた佐隈さんに文句を言ってやった。
おかげ様で、昨夜の記憶はまったくない。何故だ、怖いぞ。俺、何されたんだ。
「さくー!お前、昨日酒呑んだ後、片付けていかへんかったやろー!!!!!しかも、気絶したわしを床に放置したまま魔界にも帰さんで、どういうつもりやぁー!!!!!」
「ぇ?」
「ん?」
あまりに素っ頓狂な声を上げた佐隈さんに、俺の方が驚く。
「あの・・・ソレ、アクタベさんが『片付けはアザゼルがするから、置いておいて良い』って言ったんですけど・・・しかも、アザゼルさんを帰してあげようとしたときに私を止めたのもアクタベさんだし・・・」
え。何ソレ。
どういうこと?
「そうですよね?アクタベさん」
「・・・・・・」
椅子に座ったままのアクタベさんは返事もなくチラッと俺を見た。
え?何?何なの?
「・・・さぁ、どうだったかな」
「えぇー!酷いですよ、アクタベさぁーん!」
隣りでアクタベさんにそう声を上げる佐隈さん。
取りあえず俺は、アクタベさんの真意がつかめぬまま、いつも通り演技に徹することにした。
大根役者の演技
(・・・アイツが何時あの下手くそな演技やめるのか・・・見ものだな)
(ゾクッ・・・な、なんだろ、なんか悪寒が・・・)