×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


ナマエは愛された男でした。


同僚のフリッピーに、深く深く愛された男でした。

フリッピーが愛を口にする度『僕もだよ』と返事をするナマエに、周囲は相思相愛なんだなと笑っていました。



そんな二人は何時も一緒にいます。



訓練の時も実践の時も、フリッピーが覚醒した時だってずっとずっと一緒。

だって、フリッピーがずっと一緒にいたがったから。



覚醒したときのフリッピーも、ナマエを深く深く愛しています。


愛してるがあまりに暴力を振るってしまっても、ナマエは怒ることはありません。




ただ『好き』だと言えばナマエは『僕も』と答えるのです。周囲はそんな彼を尊敬しました。覚醒状態の彼まで愛せるなんて、なんて心が広いんだと。






周囲にとってもナマエは愛すべき男でした。

姿形もそうですが、その言葉も心も、何だって彼は美しく優しい。だから、愛された男でした。



彼を愛さない要素なんてただの一つもありません。

彼は愛されている。



だって彼は・・・





「ナマエ好き」

「僕も好きだよ」


「ナマエのこと大好き」

「僕も大好きさ」


「ナマエのこと愛してる」

「僕も愛してる」






「・・・ねぇ」


「なぁに」









「ナマエは何が好きで大好きで愛してるの?」








フリッピーの真っ直ぐな目を、ナマエは真っ直ぐと見つめ返します。

いいえ、正確には“彼の目に映る自分”を見つめています。






「・・・さぁ?」


曖昧な返事。




けれどフリッピーは知っています。本当は知っているのです。




「そっか」


けど口にはしません。

だって、彼を愛していますから。






彼は愛された男です。



何故なら彼は、周囲からも――彼自身からも、愛された男なのです。









愛が深い男の話





僕は(僕が)好きで大好きで愛してる!!!



戻る