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教室からどんどん人が消えていく放課後。

一番後ろの席に座っている一人の生徒が、ぐーぐーといびきをかいていた。



ガラガラッ

その教室に入ってきたのは青峰。


青峰は迷うことなく眠っている生徒に近づいていく。




「名前」



名前と呼ばれた彼はピクッと反応し、ゆーっくりと顔を上げる。





「よぉ、名前」

「ふわぁー・・・なぁにぃ?」


とても眠たそうな顔で青峰を見る名前は、目を少しこすった。






「今日が何の日は知ってるか」


「・・・んー?」





寝起きで頭が働かないのだろう。

再び夢の世界に落ちてしまいそうな顔で考える名前は「ぇーと、ねー」と呟く。



「おい寝るな」

「眠い・・・」


こくりこくりと頭が動き始めるのを見た青峰が軽く名前の頭を叩く。





「まってねぇ・・・今、思い出す・・・」


そう言いながらもその目は眠そう。

青峰は若干不機嫌そうな顔で「さっさとしろ」と言った。





「ん・・・眠い・・・」



「・・・もういい」

青峰がくるっと背を向け、名前から離れて行こうとする。


その後ろで名前が軽く伸びをしたり、肩を回したりしだす。






「どこいくのー?」

「・・・屋上」


「あー、部活サボるんだ」



すたすたと教室を出ていくために歩く青峰。











「じゃぁ二人でお祝いしよっかぁー?」










「・・・え」

ぴたりと青峰の足が止まる。


バッと振り返った青峰が見たのは、もうすっかり目を覚ました名前の姿だった。

名前はふにゃっとほほ笑んで「だって」と口にする。






「今日は、大輝の誕生日、でしょー?」



「・・・知ってんじゃねぇかよ」

むすっとした顔の青峰に名前が笑いながら「ごめん、ごめん。寝ぼけてた」と言う。






「ん。これ」

「・・・?」



差し出されたのは簡素ながらもしっかりラッピングの施された小さな箱。



「大輝、何欲しいのかわからなくて、無難にリストバンドにした」

すぐに箱を開ける青峰に名前が付け加えるように言った。



「・・・すげぇ」

青峰がつい口にする。

中に入っていたのは名前の言うとおりリストバンド。色は青。


けれどそれだけじゃない。

リストバンドには、白い糸で刺繍がしてあったのだ。


それは青峰の名前をアルファベットにしたものだったり、模様だったり・・・とにかく良い出来だった。


ハッとして青峰が見た名前の手にはいくつか絆創膏。





「慣れてないし、徹夜で用意した。だから、眠い・・・」


ふわぁっと欠伸をしながら言った名前に、青峰ががばっと抱きついた。






「んー・・・大輝ぃ」

「・・・・・・」



「お誕生日、おめでとー」



「・・・おぅ」

青峰の少し嬉しそうな声がすでに人のいなくなった教室に響いていた。




白い糸で描く



あとがき

今日は青峰さんの誕生日だったんですね。おめでとうございます!!!!!
下手くそな文章ですが、これでお祝いしたことになれば良いです。←

お、おめでとうございます!!!!!


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