「やぁ、おじさん。久しぶり」
「誰だ手前。俺は手前みたいな野郎、知らないぞ」
目立つ火傷の痕。赤と緑のセーター。鉤爪のようなものがついた手袋。
夢魔のフレディは目の前でさわやかな笑みを浮かべる男に、自らの凶器をちらつかせた。
しかしながら男は恐怖の表情を見せることはない。
「それは酷い!前世であれだけ愛し合ったじゃないか!」
「お前の妄想だ」
その言葉に男が動きを止める。
男の雰囲気が変わった。
一般の人間ではない・・・そう、まるで、殺人鬼のようにどす黒い雰囲気。
フレディは自然と警報を感じ取っていた。
「いやいや。僕がまだまだか弱い幼女だった前世で、君のそのナイフのような鉤爪で、深く深く、それこそ内臓まで見えそうなぐらい愛し合ったじゃないか」
前世。
男はそう口にし、ぞくりとするような深い笑みを浮かべた。
「おじさんは覚えているかな?馬鹿みたいに怯えて逃げ惑った僕のことを。まぁ、今となっては何故あんなに怖がったのか不思議なぐらいなんだよ。何故僕はおじさんを怖がらなきゃいけなかったのか、本当に不思議さ」
男はポケットの中に手を入れ、何かを取り出す。
まるでナイフのように鋭い鉤爪がついた手袋。そう・・・そうれは、フレディの手にあるものと同じ。
「またおじさんに会えて嬉しいよ。前世で殺されて、また生まれて・・・この時をどれほど待ち望んだことか」
軽く恍惚の表情を浮かべた男は、ゆっくりと身を動かす。
そして男はペロッと自分の唇を舐め、まるでフレディの真似かのように、ニマニマとした笑みを浮かべた。
「前世で沢山一緒に遊んだでしょ?今回も僕と遊んでよ・・・ねぇ?フレディおじさん」
鬼ごっこでもしようか。
ただし今度の鬼は・・・
僕だけどね?
前世からの延長戦
あとがき
今回は『質問』の
【ホラー映画、エルム街の悪夢のフレディ知ってたらみてみたいです!】
を実行させていただきました。
ま、まさかの逆ホラー。←
その後、きっと男主はフレディさんを追い回すと思います。←