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▼短い怖『パパが帰ってきた』シリーズ ナマエの場合(ボー贔屓)


「さぁ、良い子でお休み。良い子には、サンタが来るよ」

「わかった!おやすみパパ!」

イヴの特別なご馳走を平らげた可愛い息子三人に言えば、ボーが元気な声を上げる。ヴィンセントはこくこくと頷いている。

「あーあー、サンタ信じる歳かよ」

「んだと、レスター!」

にたにた笑うレスターに殴りかかろうとするボー。二人に「こら」と言えば、二人はそれぞれ「おやすみ」と部屋へ戻って行った。

さてと・・・『サンタ』は準備をするとしようか。



息子達が眠りについてからしばらくして、私は息子達のために用意したプレゼントを手に静かに静かに歩いていた。

私がまだ前世で生きていた頃は、サンタの正体が息子達にばれてしまわないように細心の注意を払ってプレゼントを届けに行っていた。

あの頃の思い出に頬が緩むのを感じながらまずはレスター、それからボーとヴィンセントの順にプレゼントを配って行く。

ツリーの下に並べて置くのも良いけれど、目が覚めて一番に気付いて欲しいから枕元へ。

レスターには新しいナイフ、ヴィンセントには新しいエプロンを用意した。喜んでくれるだろうか。


息子達の部屋を後にすると、年甲斐も無くわくわくと胸が高鳴ってしまう。もちろん精神年齢の話だ。

さて私もそろそろ寝ようか。そう思った時、暗闇でぎゅぅっと抱き付いて来た人物に私は苦笑を浮かべた。

「おや、起こしてしまったかい」

「・・・へへっ、サンタを捕まえちまったぜ」

ぎゅぅぎゅぅと抱き付いてふにゃりと笑うのはボー。


あぁ、確か昔もこんなことがあった。

ボーはサンタが見たいからと寝たふりをしていて、私はそんなこと知らずにプレゼントを持ってきて・・・

「またボーに捕まってしまったね」

「じゃぁやることは決まっているだろう?パパ」

悪戯っぽく笑うボーに私は観念したように肩を窄めた。


「もちろん。今夜は一緒に眠ろう」

ボーが嬉しそうに「最高のクリスマスプレゼントだ」と笑って私を部屋へと引き入れた。


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