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長期休暇に入った。


セブルスの母親は、仕事の都合で家を空けるらしく、セブルスの提案でセブルスの家に滞在していたコウは「ちょっと出かけてくるよ」と言ってその家を出た。



出かけた理由は、ただ単に買いたい本があったからであって、特別な理由があったわけでもない。

夕方になって帰って来たコウは、その扉を開けた。







「ぉ、帰り・・・なさぃ」




「・・・・・・」

ボソッと、コウの手から荷物が落ちた。


無表情で荷物を落としたコウは、実は大分驚いているのだろう。


目の前には、何時もは肩まで伸ばしている黒髪を、一つに結い、ハイネックのシャツの上にピンクのエプロンを着たセブルスが立っていた。







「・・・何それ」

「・・・ッ///」



顔を真っ赤にして黙ったセブルスは、コウが落とした荷物をささっと拾って「ゆ、夕食の用意は出来てるからなっ」と言い、歩き出した。


コウはしばらくその場に立ち尽くしていたが、すぐにセブルスの後を歩く。







テーブルの上には、美味しそうな香りを漂わせる料理が並んでいた。



「・・・た、食べないのか?」

「・・・いただきます」


コウが席に着くと、セブルスは反対側の椅子に座って、それをじっと眺めていた。




「ぉ、美味しい、か?」

「・・・まぁね」

パァッと、ちょっとだけ明るい顔をしたセブルスをチラッと見たコウは、ただ黙々と夕食を食べた。



「コウ。パセリも食べないと駄目だ」



「・・・いらない」

「駄目だ」


「・・・・・・」

仕方なくパセリを食べながら、コウは「・・・で。何その格好」と言った。


セブルスはさっと顔をそらしてしまう。




「ぁ!コウ・・・こっち向いて」


「何――」

セブルスの方を向いたコウの口の端を、セブルスが白いハンカチで拭った。




「・・・・・・」


押し黙ったコウと、顔を真っ赤にして恥ずかしそうにするセブルス。

・・・セブルスの身に、何があったというのだ。


理解できないコウは「ご馳走様」と言って席を立つ。




「コウっ、そ・・・そのっ・・・風呂も、準備出来てるから」

「・・・わかった」



すたすたと風呂場へ行ったコウは、簡単にシャワーを浴びて、ズボンとシャツを着て、頭を拭きながらベッドに腰掛けた。





「コウ・・・」


「・・・まだその格好してたの?」

「その・・・」



何処か迷ったような顔をしたセブルスが、コウに近づいていく。





「・・・・・・」

座っているコウの足に跨ぐ様に座ったセブルスは、コウの首に腕を回す。



「・・・何?」

「・・・コウッ///」



「・・・・・・」


自分から唇を寄せてきたセブルスを、コウは何も言わず受け入れる。



「ハ、ァ・・・ンッ・・・」

とろんとした目で、熱い息を吐くセブルスは「コウっ、好き」と呟いた。


じっとセブルスを見ていたコウの目に、セブルスが着たままだったピンクのエプロンが映る。






「・・・新妻のつもり?」


「///!!!」

カァッと顔を真っ赤にしたセブルスに「・・・無有の口車にでも乗せられたわけ?」と呟くコウに、セブルスは黙ってしまった。

これは肯定と取った方が良いだろう。


コウはちょっとだけため息をついてから、セブルスの首に顔を埋める。



「ンッ・・・コウ」







「和食」






「・・・?」

「妻なら、夫の好きな料理ぐらい把握しててよね。あの料理も美味しかったけど、今度は和食作ってよ」


「・・・わ、かった///」

こくっと頷いたセブルスをギュゥッと抱きしめたコウは、その耳に唇を寄せる。












「今夜は寝せないよ」

「ふぇ!?」


吃驚として眼を見開いたセブルスに、コウは少しだけ意地悪く笑って見せていた。



11月22日のサプライズ



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