■前書き■
今回はコウ君ではなく、我らが幽霊“シャメル”を主人公としてお話を作ろうと思います。
お話の舞台でいえば、まだリドルとシャメルが離別する前の話です。
当然のことながら、コウ君の出番はありません。←
廊下を歩く人影。
一方は緑のネクタイを締め、一方は赤のネクタイを締めている。
緑のネクタイがリドル。
赤のネクタイがシャメル。
お互い、ホグワーツに入学してからそれほど経ってはいない。
少しずつ慣れてきたホグワーツで、二人は一緒の廊下を歩いていた。
「あの先生、あまり好きじゃないんだよね。何かと猫なで声で話しかけてくる。気持ち悪いったらありゃしないよ」
冗談交じりにそういったリドルは、肩をすくめて見せた。
「リドル君は頭が良いからね」
小さく笑ったシャメルの言葉に、リドルが首を振る。
「シャメルだって、人のこと言えないでしょ。この間のテスト、上位だった」
「ぇっ、知ってたんだ」
照れたように笑ったシャメルにリドルはクスッと笑う。
「シャメルはもっと自信を持ったほうが良い。折角頭が良いんだから」
「リドル君に言ってもらえると、とっても嬉しいよ。僕なんかを褒めてくれて有難う」
ふにゃっと笑いながら嬉しそうな声を上げるシャメル。
「僕なんかって・・・どれだけ自分を過小評価してるの?」
「過小評価だなんて・・・」
「謙遜し過ぎ。シャメルは僕と一緒にいるんだから、もっと堂々としても良いんよ」
軽く胸を張って見せたリドル。
「クスッ・・・リドル君って、結構ナルシスト?」
「そう見えた?」
「クスクスッ。ちょっとだけ」
楽しそうに笑ったシャメルに、リドルは何処かほっとする。
シャメルは無理した笑顔を良く浮かべているから。
「そういえば、次のホグスミートはどうするつもり?」
「ぇーっと」
何気なく始まった会話。
シャメルは視線を泳がせていた。
「僕はスリザリンの子たちと一緒に行くけど、シャメルもグリフィンドールの子たちと約束してるんでしょ?」
「そ、ぅだね・・・」
言葉を少しだけ詰まらせたシャメルに、リドルは首を傾げる。
この時のリドルは、シャメルがグリフィンドールに友達を持っていないことを知らないらしい。
「どうしたの?」
「ぇっ、と・・・」
様子の可笑しいシャメルに気付いたリドルは、ちょっとだけ眉を寄せる。
いつまで経っても「ぇー」とか「ぅ、んと」などというシャメル。
シャメルのそれは何時ものことで、リドルは気長に待っていた。
けれど、今日に限ってそれは大分長い。
「・・・で?」
結局結論を求めて、リドルが声を上げる。
シャメルは困ったように笑った。
「ボクと一緒に、ホグスミート行って欲しい・・・って。けど、もう約束してあるんだよね。ごめんね」
申し訳なさそうに眉を下げたシャメルと、突然のことで驚いた表情をしているリドル。
「僕と一緒に?」
「・・・ぅん」
まるで確認を取るように言葉を繰り返すリドルから、目をそらす。
「いいよ」
「えぇ!?け、けど・・・スリザリンの子と約束してるんじゃ・・・」
「いいよ、あんなの」
しれっというリドルに「ぁ、あんなのって・・・」と顔を引きつらせるシャメル。
「シャメルと一緒に居る方が楽しいし」
「ぇ・・・」
その言葉に、シャメルは固まる。
「ぁ・・・・・・べ、別に変な意味じゃないけどね」
さっと顔をそらしてそういったリドルは、少しだけ顔が赤い。
何時もとは違って、ちょっと手を弄ったりしているあたり、大分緊張しているのかもしれない。
「・・・・・・」
その様子に押し黙ったシャメル。
リドルはほんの少しだけ、不安そうにシャメルを見た。
「ぅれしいよ。リドル君にそういってもらえて・・・」
「・・・・・・」
「ボクも、リドル君と居るときが・・・
――1番楽しいよ!」
元気な声で、嬉しそうな笑顔と共に・・・
シャメルはリドルの手をさっと取って言った。
リドルはその手をじっと見て・・・
「ぅん・・・」
嬉しそうに笑っていた。
友達?優先
あとがき
【ヴォルとシャメルがもっと絡めば良いと思います(^-^)…だけどCPの場合どっちが攻めでしょうか??自分的には意外性を求めてシャメル攻め希望です←】
はい。
自分も、どちらかといえばシャメルが攻め希望です。←
今回はシャメルを中心とした物語でしたが・・・
いかがだったでしょうか。
気分的に、シャメルは大分奥手で、リドルがずいずい行くと思います。←
・・・また、作っても良いよって思ってくだされば幸いです。
その場合は『質問』までお願いします!!!←