図書館が独り、勉強をしていた。
コウは部屋で読書に没頭しているらしく、今は一緒ではない。
「・・・わからない」
これは、後で教師に聞きに行くしかないか・・・と、少しだけ肩を落とす。
「・・・ぁ」
そういえば、コウや無有の話では、シャメルは結構な秀才だったはずだ。
『え?勉強を?』
「あぁ。駄目か?」
早速シャメルを図書館に呼び寄せて、頼む。
『ぅうん!ぼ、ボクに任せてよ!』
嬉しそうにはにかんだシャメルは、すすっと僕の近くに来た。
『何処がわからないの?』
「あぁ・・・此処なのだが――」
『フフッ。此処はね?』
すらすらと的確で分かりやすい説明をするシャメル。
シャメルは頭が良い。
「教えるのが上手いな」
『ふぇっ!?そ、そうかなぁ・・・』
照れたような笑みを浮かべたシャメルは、笑顔のままで『セブルス君もコウ君も上手だよ』と言った。
『セブルス君は魔法薬学が上手だし、コウ君は結構なんでもソツ無くこなすでしょ?コウ君はきっと、誰かの補助が良いと思うんだよね。セブルス君は、どうだろう。闇の魔術に対する防衛術も好きだったよね?』
「あぁ」
『セブルス君は、魔法薬学も良いと思うし・・・ぅん。どっちの先生でも、すごい先生になれるよ』
笑顔で言うシャメル。
「シャメルは、人を褒めるのが上手だな」
『ぇえ?そ、そうかなぁ・・・本当のことを言ってるだけだし・・・』
純粋に人を褒められる。
そんなところが、シャメルの良いところなのだろう。
「シャメルが友達でよかった」
『ほ、本当っ?』
嬉しそうな顔をするシャメルに「あぁ」と言った。
『ボクも・・・セブルス君と友達になれて、幸せだよっ』
恥ずかしそうな笑顔に、こっちまで和んでしまう。
シャメルのすごいところだ。
『ぁっ!!!!・・・そ、その・・・ぼ、ボク!二人のこと応援してるからね!!!!』
「ぁ、あぁっ///」
突然の言葉に、僕はつい、顔を赤くしてしまった。
そんな会話をしつつ、僕とシャメルは勉強を続けた。
『きっと、二人とも同じ職場で仕事するようになるよね』
笑顔で言ったシャメルに「そうだと良いな」と僕はいった。
幽霊な友達
――まさか、未来にシャメルの言ったとおりになるとは思いもよらなかった。
あとがき
まさかの、コウが出てこない短編です。←
『質問』のコメントの
【嫌われ主大好きです!!シャメル君とセブルスの友情が読みたいです!!!!】
を、実行しました。
大好きだと言って頂いて、とても嬉しいです(照)←
シャメルが、地味に預言者っぽくなるというサプライズでした。←
本人も吃驚ですね。
何時か、シャメルとリドルの話も、需要があれば書こうと思います。←