それは突然だった。
気付いたら、森の中にいて・・・
「・・・だ、れ?」
片目を包帯で覆った、小さな子供が独りいた。
「・・・(ぇぇええ、ぇっと)俺は(ですね・・・その)アス(っていいます!!!!!)」
ん?子供相手にビクビクして格好悪い?
・・・黙らっしゃい!!!!!!!!!!!←
「アス・・・?」
きょとんとした子供が、めちゃくちゃ可愛いんですけど!!!!!!
「ぼ、梵は・・・梵天丸!」
「・・・梵天丸?」
「そ、そう!」
こくこくっと頷いたその子供の可愛さが異常だ。
・・・って、あれ?
梵天丸って・・・
伊達政宗の幼少期!?マジで!?
異世界トリップから、タイムスリップ!?すごっ!!!!!!
「ね、ぇ・・・」
驚きまくっている俺に、梵天丸が声をかけてきた。
「アス、は・・・どうして此処に?」
「・・・さぁ(・・・俺にもさっぱりだよ)」
「・・・そっか」
きっと、俺のことを哀れに思ってくれたんだね!有難う、幼少期の君も優しいんだね!!!!!
あ、そういえば・・・
「どうして、こんな(めちゃくちゃ怖い)森の中にいたんだ?」
恐る恐る尋ねてみる。
「・・・そ、れは・・・母上が・・・梵を怒るから・・・怖くてッ」
あ。やばいことを聞いてしまったらしい。
どんどん目を潤ませていく梵天丸。
・・・やべぇよ。いたいけな子供を泣かせた嫌なヤツじゃん!今の俺のポジション!!!!!!
「けど、独りで森の中にいるのは淋しい(よね!?ほら!お家に帰ろうか!?)」
必死の説得。
・・・やばい。もっと泣き始めちゃったよ!?
おろおろする俺。
「グスッ・・・ゥッ・・・梵は・・・独りは、ぃやっ」
その言葉に、俺はピタッと動きを止めた。
なんだか・・・泣きながら呟く梵天丸が、とても哀しげで・・・
「大丈夫」
「・・・?」
そっと梵天丸を抱きしめた。
「・・・独りが嫌なら、出来るだけ傍にいてあげる」
「・・・ほ、んとぅ・・・?」
あぁ。と返事をすると、梵天丸は嬉しそうに笑ってくれた。
その笑顔があまりにも純粋すぎて・・・
俺も、ちょっとだけ笑った。
――・・・
「Oh,アス・・・良い夢を見たんだ。ずーっと昔・・・子供のころの夢だ」
「・・・・・・」
「母上が怖くて、森に行っていたとき・・・目の前に、とっても綺麗な人が現れたんだ。顔は良く覚えてないけど・・・アスみたいだってのは・・・覚えてるぜ」
幸せそうに笑った政宗に、俺もついつい笑っていた。
・・・大丈夫。約束は守るからね。
小さな君のために
あとがき
お正月企画のリクエストでした。
梵天丸が上手に表現できない異音は、絶対に文才がありませんね(遠い目)
こんな駄目な仕上がりですが、
少しでも喜んでいただけたら嬉しいです(滝汗)