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都市伝説とは、一体何処から生まれるのだろう。


最初はちょっとした友達同士の会話。

どんどん広がって、ネットに広がる。


首なしライダーだって、その類。




「・・・・・・(だから、俺は都市伝説とかそんな大それたものじゃないんだよぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!)」



この男、葵祁アスでさえ、その噂から始まり、都市伝説と化してしまった人物の一人だ。


そんなアスと一緒に暮らしているのが、同じく都市伝説の首なしライダーことセルティ・ストゥルルソンとその恋人の新羅。


子供の姿のアスはこういわれている。






――黒き天使の姿をした小さな悪魔






「(俺、悪魔扱いぃぃぃぃいいいいい!?!!!??!?!??!!俺、そんなに凶悪犯扱い!?)」


天使の意味は、もちろんその美しい姿から。

悪魔の意味は、心が読めず、よく分からない姿から。


けして悪い意味ではないのだが、アス自身はそれを知るはずもない。




「アス、どうした?」


アスは内心ショックを受けつつ歩いていると、静雄に声をかけられた。

ちょっとだけ緊張した面持ちの静雄。


アスは「静雄(さん!!!!!)」と振り返った。

本人は嬉しい表情をしたつもりだったが、実際は無表情。


静雄はちょっとだけ身を硬くする。




「(ぇーっと)都市伝説、知ってる?」


出来るだけ愛嬌たっぷりに聞きたかったが、言うまでもなく無表情。




「お前のか?あぁ。今話題だな・・・」

なんとなく思い出す静雄。


「天使とか悪魔とかいうけど・・・アスはもっと、こぅ・・・」







――綺麗過ぎる深い闇だ。







内心静雄はそう思いつつ「やっぱ、なんでもねぇ」と言った。



「俺もそろそろ仕事だ。もう行く」

「うん」


静雄が立ち去って言った後、アスは意味もなくうろうろ。

新羅の仕事も入ってるし、セルティも運び屋の仕事が入っている。


暇で暇で仕方ないアス。




「アス〜」

「・・・・・・・・臨也(ぁぁぁぁああああっ!?!???!??!?!???!?)」


後ろから突然抱きつかれ、アスは倒れかける。

それでも、もてるだけの力でそれを堪え、アスは抱きついてきた本人――臨也を見た。




「アス君、元気?(あぁ。アスは今日も格好良いなぁ・・・こんな子供なのに)」

「まぁまぁ(です!!!!ぅわぁ・・・どうしよう。臨也に遭遇!?怖いことされないよな!?)」

明らかに食い違う心の中だが、本人達はまったく知らない。



「都市伝説を抱きしめられるなんて、俺って幸せ者?」

「・・・都市伝説、信じてるのか?」


「アスは有名だよ?裏じゃね。『魅惑の暗黒』『静かなる堕天使』『漆黒の修羅』『黒き純白』『池袋の覇者』――数え切れないほどの名称を持ってるんだ」

「・・・(何それぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええっ!!!!!!!!魅惑!?修羅!?黒なのに純白!?覇者って何!?)」


黙っている(もちろん、内心混乱中)のアスに、臨也は密かに冷や汗を流した。



「(まったく動じない、か・・・すごい子供だよ)アス君、これから俺と一緒に昼食でも食べようか?」

「・・・うん」


臨也は笑顔でアスの手を取る。









池袋の都市伝説には、数え切れないほどの名称があるが、都市伝説を知るほとんどの人間がこう思っている。






――都市伝説にあえば、まず周りを確認しろ。


池袋の喧嘩人形はいないか?

首なしライダーはいないか?

新宿の情報屋はいないか?

粟楠会はいないか?

都市伝説の信者はいないか?


確認しろ徹底的に確認しろ

そうじゃなければ殺される


池袋の覇者に逆らうな

池袋の覇者には盾と槍がついている

池袋の覇者に楯突くな


消されたくなければ――




都市伝説が響くとき



あとがき

一周年記念のリクエストでした。

・・・やっぱり、何処の世界でも最強扱いのアス君でした(汗)
・・・まぁ、その内、アスの内面を知ってくれるキャラを出現させるつもりです(コソッ)←


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