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「#エロ」のBL小説を読む
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「明けましておめでとう」


そういいながらセブルスに包みを渡すアス。




「・・・?」

首をかしげたセブルス。

突然アスがそう言って包みを渡してきた意味が分からないのだ。



「・・・日本では・・・正月と言って、新年を祝う行事がある・・・」

「この包みは?」


「着物。セブルスに」

「僕に、か?」


セブルスはちょっとだけ頬を赤く染める。

一方アスといえば・・・



「(やべぇぇぇぇええええっ!!!!!めちゃくちゃ緊張する!!!!ちょっと冗談半分で準備したんだけど、怒られるかもっ!!!!)」





実はセブルスに渡した包みに入った着物は紛れもない女物である。

こちらとしてはグッジョb(ゴホンゲフンッ!!!!!)




「ぇと・・・アス、着方が分からないのだが・・・」

「・・・・・・」



黙っているアス。

本人もさっぱりである。



此処で登場すべきなのは、もちろん助っ人であろう!!!!!

アスは助っ人を求めて軽く数分寮内を歩き回った。


で、つれてきたのが・・・





「・・・・・・ごめん(なさいぃぃいいいいっ!!!!)ナルシッサ(さんんんんんっ!!!!!)」


「いいのよ、アス」


普通に笑顔で男子寮に入っちゃったナルシッサにセブルスは軽く眼を見開く。

アスはアスで、女子の知り合いといえばリリーかナルシッサぐらいである。←


もちろん、リリー関係で他の女の子とも話ぐらいはしたことはあるが、生憎チキンのアス。

知り合いというぐらいで、友人とまでは未だ発展できていない。





「アスが日本出身だと知ってから、いろいろと調べたのよ。日本の着物とか、なかなか良いセンスしてるわ・・・・・・・・・是非ともルシウスに着て貰ってアスとのツーショットを(ボソッ)」


最後の言葉は読者にだけ聞こえたことにしよう←





「・・・・・・じゃぁ、よろしく」


そういって部屋から出て行くアス。

アス自身も何か準備があるらしい。



「じゃぁ、さっさと着替えましょうか・・・・・・・・・・・・あら?」


セブルスから受け取った包みの中身を確認したナルシッサは、中身は女物なことにすぐに気が付いたが・・・






「・・・・・・さ。早くしましょう」

意外にそれも美味しいと思い、セブルスには言わなかった←




「ぁ、ぇと・・・」

「早く脱いで」


「ぅ・・・」


・・・・・・・・・・・・・さぁ!セブルスの運命やいかに!!!!!←








――・・・





コンコンッ


ガチャッ

「セブルス・・・着れたか?」



同じく着物(男物)を着たアスがやっと部屋に顔を出した。




「ぁ、あぁ・・・」

ちょっとだけ恥ずかしそうな声。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ(!???!?!!!?!?!?!!!!?何このユートピア!!!!!←)」


アスは軽く目を見開いてセブルスを見る。




「ど、どうだ・・・?」


「・・・似合ってる」

「そ、そうか///」


その光景を見ながらニヤニヤしていたナルシッサがその場を退場した後、アスはセブルスと二人きりになった。





「・・・アスの着物は、僕のと違ってちょっと地味じゃないか?」

「・・・・・・」


それは男物と女物の差。当たり前である。



「ぁ・・・けど・・・そ、その、に・・・似合ってる///」


「有難う」

内心(大分)嬉しかったアスは小さく微笑んだ。




「〜〜〜〜っ///」

顔を真っ赤にしたセブルスにアスは


「(お、俺としたことがまた気持ちの悪い笑顔をセブルスにさらしてしまったっ!!!!!新年早々ゴメンナサイっ!!!!!)」


と盛大に謝罪していた。





「ぇと、で・・・この後、どうするんだ?」

なんとか気を取り直したセブルスがアスに問いかける。



「新年は、まず初詣に行くんだ。神社に」


「けど・・・此処は日本じゃないぞ?」

「大丈夫」


そういってセブルスを抱きかかえたアス。

訳が分からず顔を真っ赤にしているセブルスを知ってかしらずか、アスは小さく呪文を唱えた。


・・・その場から二人は居なくなっていた。








「・・・・・・・・・着いた」

「こ、此処は・・・?」





「日本」





「!?こ、此処が・・・?」


そわそわと周りを見るセブルスに、アスはこそっと笑った。



「行こうか」

「ぁ、あぁ・・・」



当たり前のようにこの時期の神社は人でごった返している。





ギュッ

「っ!アス・・・?」


突然手を握ってきたアスにセブルスは嬉しいながらも戸惑っている。


「・・・・・・離れたら、危険だから」

「ぁ、ぁりがとう///」


・・・・・・もう、君は乙女で大丈夫だろう。←





アスはなんとか人ごみをすり抜け、セブルスを誘導していく。


「この箱に、お賽銭・・・お金を入れて、手を合わせる。そしてお願い事をするんだ」

「アス、僕はお金は・・・」


「大丈夫。準備してきた」


いろいろと前準備をしていたらしいアスから小銭を渡されるセブルスは、隣でさっさと小銭を投げ入れて手を合わせているアスの真似をして小銭を投げ入れ、手を合わせていた。





「・・・・・・・・・・(今年は平和で俺が絶対死なないと保障できる毎日が送れますように!!!!)」



なんだか涙ぐましいお願いをしているアス。

残念だが、そのお願いは流石の神様でも叶える事は出来まい。


すっと合わせていた手を離し、セブルスの方を見るアス。

まだ何か一生懸命お願いしているセブルス。





やっとお願いが終わったらしい。






「終わったか?」

「あぁ」

こくっと頷いたセブルスに「何をお願いした?」と尋ねるアス。



「っ、ひ、秘密だ///!」

「そうか。じゃぁ、俺も・・・」


顔を真っ赤にしたセブルスに、アスはちょっと驚きつつもそういった。




「もう帰るのか?」

「いや。少しだけ、観光していくか・・・?」


「あぁ!」


ちょっとだけうきうきしたような顔をしたセブルスに、アスはつれて着てよかったと内心喜ぶのであった。






2010の初詣








ん?

セブルスが何をお願いしたって?それは・・・




『アスと・・・来年も、ぁ、いや・・・ずっと一緒に居られますように』



きっと、神様はそのお願いを全身全霊で叶えてくれるに違いない。


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