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カチッ、カチッ・・・




「「「「「「・・・・・・」」」」」」




時計の針が進む音が、その部屋に流れる。






「・・・眠い・・・ハッ!!!!ね、寝て無いよ!?僕は寝てないからね?!」


ズレ落ちた眼鏡を慌てて元に戻しているのは、口の端からちょっとだけ涎を出して眠っていたジェームズ。



「・・・煩いぞ・・・ポッター」

眠たそうに、しかし苛立ったような声を上げたのはセブルス。

その隣には、みかんを黙々と食べているアスがいる。



現在、部屋の中にいるのは・・・

アス、セブルス、ジェームズ、シリウス、リーマス、ピーターの六人だ。



何故このメンバーが揃って、騒動が起きないかといえば・・・




セブルスには出来るだけジェームズに嫌味を言わないように、

ジェームズたちには、悪戯はしないように、

そうアスが前もって釘をさしているからである。




今回は、皆で新年を迎えようというアスの提案で集まったのだが・・・




「シリウス!寝たら駄目だよ!!!!!」


「ジェームズ・・・リーマスが、チョコ食べながら眠ってる・・・」

「何だって!?ピーター!リーマスを起こして!!!!!」


最初は元気良く暴れていたシリウスは、早々に脱落。

リーマスは、チョコを食べながら幸せそうに眠っている。

リーマスを起こそうとしているピーターも、今にも寝てしまいそうである。







「・・・セブルス・・・眠たいなら、寝ても大丈夫だから(ね!?)」

ふらふらしているセブルスにそういったアス。


トリップする前には、毎年のように遅くまで起きてきたアスは、全然余裕そうである。




「アス・・・大丈夫だっ・・・」


セブルスは何とか眠らないように頑張っている。




「アス!!!!!景気付けに、御酒でも飲もうよ!!!!!そうじゃないと、もう・・・」

ジェームズが元気良く提案するが、その目は虚ろだ。大分眠たいらしい。



「ほら!おきなよパッドフット!!!!!」

バチンッ!!!!とシリウスの頬を叩く。


「ぃっ!?・・・ジェームズ、何するんだよ・・・」

「皆で新年迎えるんでしょう!?酒でも飲んで、ぱーっとやるよ!!!!!」


「・・・あぁ」


よろよろと起き上がったシリウスは、ジェームズが魔法で取り寄せた酒の入った器に・・・






ボチャッ


「「「「・・・・・・」」」」





顔から突っ込んだ。







ブクブクブクッ


「わわわわわわわ!?ジェームズ!!!!シリウスを御酒から引き上げて!!!!!!」

「わ、わかってるよ!!!!!!」


ピーターの慌てた声にハッとしたジェームズは、慌ててシリウスを酒から救出する。


・・・シリウスは、完全に眠っていた。






「・・・もう、シリウスは放っておこうね」

「・・・うん」


頷いたピーターは「リーマス、起きて」と揺する。

ゆっくりと目を開けたリーマスは・・・





「・・・起こさないでくれない?(黒)」





「ヒィッ!?」

真っ黒く笑っていた。





「・・・ピーター。リーマスも放っておこう」

「ぅ、ぅんっ」


ガタブルッと震えるピーター。相当怖かったのだろう。

リーマスは再びチョコを食べながら幸せそうな顔で眠りについた。





「ぼ、僕等だけでぱーっとやろう!!!!!」

ジェームズはぐいっとお酒を飲む。



「うん!日本の焼酎ってヤツも、結構いけるよね!!!!!」


無駄にハイテンションで話すジェームズ。やっぱり、目は虚ろだ。





「アスも飲むかい!?」

「(ぇーっと・・・少しだけ)貰う(よ・・・)」


ジェームズから受け取った焼酎を一口だけ飲んだアスは「セブルスは?」と尋ねる。

ふるふるっと首を振ったセブルス。御酒が苦手らしい。





「ノリが悪いぞ、スニベリー!」

「・・・僕は要らない」


「一口だけでも飲みなよ!」


ずいっとセブルスの目の前に器を差し出すジェームズ。



セブルスは仕方なしに一口だけ飲んだ。

クラッときたのだろう。アスが慌ててセブルスの背中を擦ってやった。


それから、あまり時間は経過していないが・・・





「も、もう飲めないよジェームズ・・・」

パタンッ、とピーターが倒れた。




ピーターが脱落。酒が回って、眠くなってしまったのだろう。





「アハハハハッ、こ、根性ないぞぉ〜・・・ピーター・・・」

そういいつつ、ジェームズもフラフラだ。


「アハハハハッ・・・もぅ、目の前くらくら――」


パタッ・・・とジェームズが倒れた。





・・・とても幸せそうな顔で、眠っている。










「セブルス・・・」


ジェームズが眠るのを見届けたアスは、隣のセブルスを覗き込む。

こちらも、相当眠そうだ。



「アス・・・もぅ、僕とアス、だけ・・・か?」


セブルスはちらっと周りを見て「・・・そうか」と頷いた。





カチッ、




ゴーン、ゴーンッ


時計が大きな音を立てた。




「セブルス。新年、明けましておめでとう御座います」

「ぁ・・・明けましておめでとう御座います」


ハッとして、挨拶をするセブルス。






「結局、二人だけだったな」


「皆が起きたら、改めて挨拶しよう(ね!)」

「あぁ・・・」


小さく笑ったセブルスに、アスはちょっとだけ照れくさくなったのか、近くの酒を一口飲んだ。




重症☆年末パーティ



あとがき

お正月企画のリクエストでした。

・・・ついつい、ギャグになりました。
シリウスが御酒の器で溺れかけるあたり。←


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