「Trick or Treat」
「ぇ・・・?」
まさか、アスの口からそんな言葉が出てくるなんて思わなくて、僕は一瞬固まってしまった。
アスは無表情だが、その眼にはちょっとだけイジワルそうな色が浮かんでいた。
「お菓子くれなきゃ、悪戯するぞ?」
「・・・っ///」
少しにやっと笑ったその表情は、酷く綺麗で、ぞっとした。
でも、生憎お菓子は持っていない。
「ぁ、ごめん・・・持ってないんだ」
「そう」
素っ気無く言うアスに、ちょっとだけ胸がチクッと痛かった。
「じゃぁ、悪戯だな?」
「ぇ・・・?」
次の瞬間には、僕の視界は大きく回転して―――
「ククッ・・・どうだ?」
「ぁ、ぇっ、えぇ!?」
僕は、アスに抱き上げられていた。
しかも、ただ抱き上げているんじゃない。
そ、その・・・
横抱きよいうか・・・そのっ///
僕はどんどん顔が真っ赤になる。
そんな僕を見て楽しそうに笑っていたアス。
これが悪戯・・・?
確かに恥ずかしいけど・・・
それと同時に、とても嬉しかった。
《アスSIDE》
「とぉりっくおぁとりーとぉ!」
はい。
発音悪くてすみません。
「ぇ・・・?」
ほら!セブルス意味わかんなくて固まってるじゃん!
俺どうしたらいいんだよ!おい!
ハッ!!!!・・・すみません!自分で考えますから許して!!!!!
「ぉ・・・お菓子くれなきゃ、悪戯するぞ(ぉ・・・な、なんて・・・ね?)」
頬の筋肉を引きつらせながらそういうと、セブルスは顔を真っ赤にした。
え!?
『んなくだらねぇことにつき合わせんじゃねぇよ、このチキン野朗め!!!!』って怒ってる!?
すみませんすみませんすみませんっ!!!!!!
「ぁ、ごめん・・・持ってないんだ」
ちょっとだけ下を向いていったセブルス。
「そう」かぁ!よかったぁ!!!!
怒っちゃったかと思った。
そうかそうか。お菓子持ってなかっただけか!(安堵)
あ!そうだ!
「じゃぁ、悪戯だな?」
俺はにやっと笑う。
あ、ゴメンナサイ。
俺の気持ち悪い顔でにやっと笑うなんて、ご、ごめんなさい!!!!!!
「ぇ・・・?」
セブルスもそう思うよね・・・うん。
けど!
俺はやると決めたらやる子なんだ!うん!!!
やるぞーーーーーーーーっ!!!!!!
俺は勢いよくセブルスを捕らえた!
「ククッ・・・どうだ?」
「ぁ、ぇっ、えぇ!?」
横抱きにされたセブルスは、完全にパニック状態。
どうだ!
チキンでヘタレで何のとりえも無い俺に横抱きにされる!
これほどの屈辱はないだろう!?←
あ、あれ・・・?
でもなんでだろう。
自分で言ってて悲しくなってきたよ・・・(泣笑)
セブルスも顔を真っ赤にして怒ってるし。
後で、土下座したほうが・・・
賢明ですか・・・?
to Severus