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※ちょっとヒロインちゃん可哀相だったので、別Ver.




「・・・紅炎様」

「何だ?」





「おふざけにならないでくださいまし」





ドスッと、紅炎の腹に一発きめられた。


その細い腕の身体の何処からそんな力が出ているのかわからない程の強烈な一発に、紅炎は「うぐっ」と小さく漏らし、ナマエを離した。





「兵士さん、そろそろ起きてください」

「はい!姫様!!!」


「なっ!?」


凄まじい勢いで起き上がり、惚れ惚れするほど美しい敬礼をビシッと決めた兵士にナマエはにっこりとほほ笑んだ。




「な、何故生きている・・・」

「死んだふりしてました!」


んな馬鹿な。





「ふふっ・・・紅炎様?」

何処かぞくりとするような笑みを浮かべるナマエ。様子が可笑しい。




「私が寂しくなって貴方に頼るのを待ってた?ふざけるのも大概にしてくださらないかしら?これだから最近の軟弱な男は・・・相手が来るのを待つぐらいなら、最初から私に誠意をお見せなさい!この腐れチ《ピーッ!!》!!!!」

「姫様!放送禁止用語が入りました!」



「そもそも、何なのですか?婚礼の時から一度たりとも声をかけるどころかその姿すらも見せなかった癖にずっと愛していたと?無駄な駆け引き気取るぐらいだったら真面目にアタックなさい!!!!軟弱な心の男は何より嫌いです!!!!!そんな貴方は所詮《ピーッ》で《ピーッ!!》な《バキューンッ!!!》です!!!!!」

「禁止用語をものともしない姫様男前!!!!」



おー!!と拍手をする兵士。

目の前で豹変する妻に紅炎は唖然とするしかない。






「あら、私に失望なさいましたか?それでも結構!別に今更貴方に愛してもらいたいとか思っておりませんので。そもそも、貴方には私の他にも大量の側室がいらっしゃるでしょう?そちらに行って適当に愛囁いて腰でも振って寝ろ小僧!」

「姫様はしたない!」



「私に好いて貰いたいなら跪きなさい!それが嫌なら出ていきなさい!!!!」

「姫様女王様宣言!」



「・・・だ」


「何ですか?もっとはっきり声を出しなさい!」



「それでも好きだ!!!!!」

紅炎は大きく叫んでその場に跪いた。







君を囲う牢獄の言葉








「・・・わぁお」

兵士は自らが敬愛する姫の目の前に跪いている煌帝国皇子に微妙な目を向けつつ、誰かに怪我の手当てをして貰おうと部屋を出て行った。



・・・その後の姫と皇子の力関係は、火を見ても明らかだった。



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