「ねぇ、カイト」
「なんですか?リドル君」
クイッと眼鏡を指で押し上げた彼。
嗚呼、何て綺麗なんだろう。
眼鏡の下にある綺麗な蒼の双眼。
僕と同じだけど、僕とは少し違うサラサラした黒髪。
嗚呼、綺麗。
本当に綺麗だ。
「どうしたんですか?リドル君」
「ねぇ。僕のものになってよ、カイト」
カイトのその声も、
綺麗な瞳も
綺麗な髪も
綺麗な手足も
綺麗な体も
綺麗な魂も
全て全て、僕のものにしたいっ!!!!!
「リドル君のもの、ですか?」
きょとんとした顔をしたカイトに、僕は笑いかけて頷く。
彼は少しだけ苦笑して
「リドル君が僕のものになるのならば、いいですよ?」
彼は言う。
貴方の綺麗な瞳も
貴方の綺麗な髪も
貴方の綺麗な手足も
貴方の綺麗な体も
貴方の綺麗な魂も
全て全て、僕にくれるのならば、いいですよ?
「あぁ、なんだ」
僕と君って、一緒だったんだね。
僕は笑って「いいよ」と言った。
そんなの、全てをあげるよ。
だから、さ。
君の全てを僕に頂戴よ、
ねぇ?カイト。
――――愛して止まない君は、僕を欲しがり、僕に己を差し出す。
あぁ、何て面白い喜劇。
君は欲しがり全てを差し出す