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【インストール中】





「・・・よし。問題はないな」

俺はふっと微笑んでパソコン画面を見た。



現在インストール中を表示されている。

何をインストールしているのか。


それは、バイト代を溜めて購入したVOCALOID!!!

購入したのはKAITOだ。



・・・・・・ぶっちゃけ、ミクとかメイコとか欲しかったんだが、お金が足りなくて中古屋で購入したんだが、そこのところは気にしないことにしよう。うん。




俺は珈琲でも飲もうとパソコンの前から離れる。



コポポッ

「ふぅ・・・」


自分で淹れた珈琲を一口飲み息をつく。


さて。と呟きながらパソコンの前に戻った。






【エラーが発生しました】




「・・・・・・はぁ!?」





もしかして、中古だったから、変なウイルスが付いてた!?


「・・・おいおい、マジかよ」


インストール中止のボタンを押そうと俺は手を伸ばす。





【インストール完了】





「ん?」

俺の操作なしに勝手に進む。



ズプッ

突然画面から手が飛び出てきた。


そして、どんどん人らしき形をしたものが出てき、て・・・





「はいぃぃぃいいいっ!?」




俺はズザザザザッ!!!と神がかりなスピードで後ずさる。

画面から出てきたやつは黒い髪をした・・・なんか包帯だらけな青年。


右目は完全に包帯で包まれている青年は俺をじっと見た。





『・・・・・・ま、すたー?』

「・・・・・・え」


ますたー・・・って、マスターのことだよな?

え、もしかして



「お前、KAITO?」


『・・・・・・違う。帯人』

「た、帯人ぉ?」


帯人って、アレか?ネットのどっかで話題のKAITOの亜種ってヤツ?

あ、もしかしてエラーのせいか?





「え。えっとぉ・・・えー、その」


突然画面から飛び出してくるという非科学的な現象を目撃してしまった俺は焦る。

帯人は俺をじっと見る。




『・・・・・・マスターは、俺が迷惑ですか?』

「え?あ、いや・・・そんなことは」


どういっていいか分からないが、一応は否定しておく。






『・・・・・・』

すっと視線を落とす帯人。

嫌な予感がする。



『嘘だ。前のマスターもそういったのに俺を捨てたのに。嘘だ嘘だ』

ぼそぼそとそう呟く帯人に俺は些か顔を引きつらせる。



これは、俗にいうヤンデレ?

もしかして俺、危険?緊急事態?


あ、あれぇ?



「た、帯人さ〜んんっ?そ、その手に持ってるアイスピックはなんですかねぇ?」

『・・・』


何時の間にアイスピックを!?

もしかして付属品か!?

なんて恐ろしいものを付属するんだ!!!恐ろしいわ!!!





「お、おい」

アイスピック片手に俺に迫ってくる帯人。

ま、マジでやべぇよ。



『・・・安心して、いい。歩けないようにするだけだから・・・』

「え、めっちゃ困るよ!?」



安心できないって!!!



「あ、そ、そうだ!」

俺は慌てて苦し紛れの笑顔を作る。

大丈夫!俺、笑顔作るの得意だし!!!



「だ、大丈夫だって。お、俺、お前のこと捨てたりしないって!お、俺はお前の前のマスターとは違うって!な!?」

そういってちょっと怖かったがアイスピックを持った帯人の頭を撫でてみる。





『・・・』


そんな俺をじーっと見て何も言わない帯人。

も、もう一押しか?



「ほら。これから一緒に住んでさ。同居みたいで楽しそうじゃん?お、俺そういうの結構興味あるかもぉ〜・・・・・・なんて」

あ、あははっ。と苦し紛れにまた笑う。





『・・・一緒に?』

「あぁ」




『・・・・・・・・・・・・』


カァッ




あ、この子、顔真っ赤。

ちょっ・・・この子、


「・・・・・・可愛い」


あ、ヤベェ。本音出た。


だって、ヤンデレのデレ!めっちゃ可愛いんだもん!!!



『可愛い?』

「うん。めっちゃ可愛い。わぁ・・・ちょっ、可愛い!」


俺は相手がアイスピックを持っているのを忘れて帯人の髪の毛や頬、腕を触る。


「わぁ、人間そっくり。あ、飯食える?」

『・・・』

こくっと頷く帯人。


「へぇ。あ、料理は?」

『・・・できる』

「おぉ!ナイスだ!よし。これからまともな飯が食えるな」



うんうん。よかったよかった。

帯人はそんな俺を見てきょとんとしている。




『・・・一緒に、いていいの?』

「もちろん。こんないい同居相手、追っ払うわけないだろ」


料理も出来る、おそらく家事全般できるだろう。

しかも可愛い。



こんないい同居相手、俺にはもったいないぐらいだ。

それを差し引いたら、ヤンデレなとこもご愛嬌だと思えそうだ。





「んじゃ。今日からよろしくな」

にっと笑って頭を撫でれば、帯人は俺にぎゅーっと抱きついてきた。



『・・・うん』

「・・・可愛いな、おい」


そんな帯人が可愛くて、ついぎゅーっと抱きしめ返した。



同居確定

可愛い同居人が出来ました。



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