《みっくみっくにし〜てあげるぅ〜》
ヘッドホンから流れる音楽。
それを聞きながら、俺は勉強をしていた。
《あげるか――ブツッ》
「・・・ん?」
突然、ヘッドホンからそんな音がする。
勉強していた手を止めて、振り返ると・・・
「マスター・・・浮気は駄目」
ヘッドホンのコードを鋏でぶった切っている帯人がいた。
ぃやーな予感。
「・・・えぇ・・・ただ、ミクの曲聴いてただ――」
「問答無用・・・」
首に当てられているアイスピックに俺、涙。
「帯人・・・そんなことを言われても、何か音楽を聴かなければ、勉強がはかどらなくて・・・」
「僕の歌った歌があるでしょう?」
「・・・だって、帯人の歌はヤンデレ曲ばっ――」
ドスッ!!!!!
やべぇ。
机にアイスピック突き刺さってる!!!!!
「・・・すみませんでした。是非とも帯人さんの歌声を聞かせてください」
ほぼ土下座の勢いで言った俺に、帯人は嬉しそうに「はい」と言った。
・・・マジやべぇよ。
帯人の声は、そりゃもう素敵だ。
けどな?
歌いながら俺の首筋にアイスピック添えるの止めてくれない!?
嫌な緊張のせいで、勉強逆にはかどらないってば!!!!!!!
「マスター。勉強、進みましたか?」
「ぁー・・・うん」
実は終わってないけど、帯人が寝た後にでもやれば良いか。
「よかった」
嬉しそうに笑う帯人。
俺の返答が、そうとうお気に召したらしい。
・・・こうやって嬉しそうに笑っている帯人は、迷うことなく可愛いと思えるのだが・・・
「じゃぁ、マスター。もう、僕のことだけ見てくれますよね?」
にっこりと笑ってアイスピックを構えるのは止めてください!!!!!!!!
「ぁ・・・あぁ」
――今日も俺は、恐怖と戦いつつ、それでも可愛い帯人を愛でる。
可愛いけど怖い
あとがき
今回は『質問』の
【帯人夢お願いしますっ】
を実行させていただきました。
・・・別の子の歌を聴いただけで、命の危機ですよ。←
・・・すみません。
いろいろ、すみませんでした(土下座)