価値観が美醜逆転したら友達が恋人になった叶わぬ願いだと思っていた。
友人関係であれること自体が奇跡だったから、この欲望は叶わないことが前提だった。そのはずだったのに、奇跡に奇跡が重なって俺にもチャンスが訪れた。
俺のことを綺麗だと可愛いと言ってくれる愛する人。このチャンスを逃すわけがない。
もしかしたら一時的なものかもしれないから、戻ってしまう前に名前を俺の虜にしないといけない。自分の見た目が壊滅的なのは知っているから、それ以外で。
真っ先に思いついたのは身体。後は名前の世話を沢山焼いて、心身ともに俺から離れられないようにするんだ。
「絶対逃がさないからな」
叶わないと諦めていたはずの俺をその気にさせたんだ。その責任を取って、さっさと抱いてくれ。
あとがき
流行の美醜逆転、ついに手を出しちゃった・・・
男のみ美醜逆転とかが多いけど、今回は男女平等に美醜逆転。
自己評価が低いキャラが執着心マシマシになるのっていい・・・
主人公くんは頭を打ったせいで前世の価値観がINした。INする前の価値観は美醜逆転世界基準の普通だったけど、友人を顔で選ばないぐらいには性格は良い方だった。
元々三ツ谷に対する好感度は高かったけど、前世の価値観がINした混乱と三ツ谷が綺麗過ぎるせいでパニックになってそのまま恋に落ちた感じ。ほぼ事故。
だけど主人公のことが大好きな三ツ谷が事故で終わらせてくれるわけがない。
このまま美味しくいただかれる未来が確定している。退路はない。