となりのおにいさん隣の家から家出してきて、うちで甚爾くんが生活するようになってから随分経った。
中学を卒業したあたりで本格的に家に帰らなくなった甚爾くんは、ふらりと俺の家から消えては大金をこさえて帰ってくるようになり、ある日突然「引っ越すぞ」と禪院の屋敷から遠く離れた場所に俺を引っ越させた。
元住んでいた家は売りに出してそこそこの金になったが、引っ越し費用は全て甚爾くん持ちで、やや親のような気持ちになっていた俺は感動で泣いてしまった。
「何泣いてんだよ」
「ううん、立派に育ったなぁと思って」
「・・・まぁ、あんたの教育の賜物かもな」
ソファに座ってにやにや笑う甚爾くんの頭をぐしゃぐしゃと撫でると、甚爾くんは「やめろよ」と言いつつ、頭を俺の手に押し付けた。
あとがき
・隣のお兄さん
自分で自分のことを『おじさん』と言うけれど、出会った当初はまだまだ若者。
非術師で禪院家のことは『やべー教育方針の家』という認識。
そこそこ売れてるライターさんで、財はある。
・未来のプロヒモ(マイルド版)
お兄さんの教育のおかげで原作よりややマイルド。
一回だけお兄さんのことを「父さん」と呼んだことがある。笑顔で「ん?どうしたの甚爾くん」と返事をされ、微妙な気持ちになった。
お兄さんのことは好きだが、親代わりとしてなのか恋愛的なあれなのかはわからない。
コメント
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