一生大事にするからね「駒、一人で真っ赤になってどうかした?」
「・・・いや、昔のことを思い出してた。名前は、今も昔も俺にべったりだったなって」
放課後の教室で転寝から目が覚めたら、駒が真っ赤な顔で僕を見つめていた。
「だって僕には駒だけだし・・・駒は、僕が一緒じゃ大変?駒が望むなら、少しだけ距離をおいても・・・」
「そ、それは駄目だ!」
「駄目?」
「・・・今の名前は次期生徒会長の最有力候補。お前の隣を望む奴なんて五万といる。今お前から少しでも離れたら、その時は・・・」
「ははっ!なんだ、そんなことを気にしてたんだ」
駒の言う理由があまりに可愛くて、僕はついつい声を上げて笑った。
「ずっと言ってる。僕には、駒だけだよ。一生」
「・・・その台詞、俺以外には絶対に言わないでくれ」
「言わないよ。駒だけだから」
手を伸ばせば、駒が僕の手をぎゅっと握る。
「駒と一生一緒にいられるなら、本当は生徒会長にもならなくていいんだ」
「・・・滅多なことを言うもんじゃないぞ、名前」
でも嬉しい、有難う。そう笑う駒に、僕も笑った。
あとがき
精神年齢やや低めの氷室成代り主。
駒に褒められたり喜ばれたりするのが好き。
長い事味わったぼっちがトラウマ。初めて友達になってくれた駒に依存してる。
駒がてっぺん目指そうと言ったから生徒会長目指してるけど、正直駒がいてくれるなら何しても楽しい。駒と一緒に何かするのが好き。駒大好き。
当初の駒からすれば『そういうつもり』じゃなかったけど、露骨に特別扱いされれば自然と『そういうつもり』でもいいやってなった。満更でもない。