好きな香りがする後輩「お、美味そうなの食っているな」
「あげないよ、狛治」
まだ食べていないと紫芋パンを隠しながら言えば「誰も寄越せなんていってないだろう」と呆れたような声が返ってくる。
弁当箱を僕の机に置き、前の席の椅子を引きずってきた狛治。いつもなら彼女と一緒に食べてるけど、今日は彼女が委員会の用事でいないらしい。
「相変わらず竈門に好かれているな」
「そうかな。朝なんとなく一緒に登校してる程度の関わりだと思うけど」
「高頻度で餌付けされておいてよく言う」
狛治は笑いながら弁当箱を開いた。中身は・・・うん、可愛らしいの一言に尽きる。彼女のお手製だろう。
愛されてるね、なんて言えば狛治は無言で真っ赤になった。