償いの鬼名前はむせ返るような異臭と一緒に、こっちまで泣いてしまいたくなる匂いがする。
ずっと肉だと思ってた、思うしかなかった人間への謝罪の気持ちと、自分が食べてしまった母親への恋しさで、心を涙でいっぱいにしている。
出会った頃は幼い話し方をしていた名前は、兄弟が増えてからは少し大人っぽくなった。見た目も、僕らの成長に合わせて少しずつ身体を大きくしているんだって前に教えてくれた。
名前はきっと、いつか死んでしまうだろう。いくら先延ばしにできても、この結末はいつか必ずくるんだ。
そう思うと俺は長男なのに大泣きしたくなる。けれどもしその日がきたら名前が少しでも心穏やかににあの世へ行けるように、なんとか笑って見送りたいんだ。
だって名前は、俺の大切な家族だから。
あとがき
下弦の鬼になるくらい人を食べてるから、いずれ必ず自害するか殺されるかする男主。
幼いうちに鬼にされたから思考も子供だったけど、竈門家の兄弟が増えるごとにちょっとずつ大人になった。今の見た目は炭治郎より少し年上ぐらい。
償いの気持ちでいっぱいだから、人間の言うことなら大抵受け入れる。償いのためなら拷問も斬首も受け入れるつもりだけど、無惨の呪いを打ち破った貴重な個体()なため、斬首まではされない。
本人はあまり意識したことがないけど、実は相当長く鬼やってる。上弦の何人かはたぶん年下。
最期はおそらく、鬼殺隊の誰かを庇うか逃すかして死亡。→キサツ学園へ!ってなれば自分が楽しい。
学生でもいいけど、あえて竈門家の近所に住む鍵っ子ショタになって欲しい。