るっくるっく「・・・もう少しだ」
軽い口調で特に深刻に捉えていない風を装っていたけれど、その実結構追い詰められているのはわかっている。
誰かと喋れば咎めるような視線を感じ、私と喋っている時はそれを感じない。自然と、彼は私を頼るようになる。
勘がいい人なら気付いてしまいそうだけれど、名前さんは基本的に仲間と認めた相手は疑わない善良な人。私を疑うことなんてきっとない。
・・・もう少し弱って、頼れるのが私しかいないのだと思ってくれたら、そこでようやく私は彼を、愛しい名前さんを手に入れられる。
「楽しみだなぁ」
私の言葉に同意するように、梟が鳴いた。
あとがき
前回『どうやら屑だったらしい』を更新したときのあとがきで『次回はもっと普通に書きます』と言ったな。あれは嘘だ!
・・・という感じな話になってしまいました。
次はもっと普通に書きます。