おつかれさまです「寺島さん、二宮隊の隊長って二宮何くんでしたっけ」
「二宮匡貴だよ。あぁ、もしかして会ったの?」
「まぁはい。やけに俺に詳しいな、と」
「苗字は知らないだろうけど、たまに様子を見に来るからね」
「何の」
「苗字の」
何で?と首を傾げれば寺島さんは「そりゃ・・・」と俺を見つめる。
「気に入られちゃったからじゃない?」
「えー、全然身に覚えがない」
「仕事に集中すると周りが見えなくなるからね、苗字は。まぁそんな苗字を好きになっちゃった理由は本人にしかわからないだろうけど」
ほら休憩終わり、仕事仕事。と言う寺島さんに俺は「はーい」と自分の持ち場に戻った。予想外だったとはいえ、二宮くんに交換してもらったアイスコーヒーで少しは疲れが取れた気がする。