新しい息子として「夫婦円満なのは良いことだ。それを壊すのも壊されるのも悪いことだ。だったら、僕は不安要素の全てを排除する」
僕は迷いなく矢が導く人へと矢を投げる。パパのお父さんが隠し持っていた不思議な矢だ。
新しいパパのお父さんだから、僕の新しいおじいちゃんになるのかな?その人には「パパを守るためだよ」と言って、パパには内緒にして貰っている。
パパの敵は多い。だからその敵を少しでも減らせるように、減らせなくてもパパから注意を逸らせるようにしないといけない。
でもまずはこの街からなんとしてでも離れないと。きっとパパは何時か衝動を我慢できなくなるから、そしたらパパの居場所が特定されちゃう。
「パパとママは、僕が守るよ」
前のパパが嫌いだったわけじゃない。けれどあまりに関わりが少なすぎたんだ。
新しいパパをママは愛してる。パパを愛しているママは幸せそうだ。そんなママにパパも満更でもなさそうで、最近ではパパもママを愛してきている。ママだけじゃなくて、僕のことだって『息子』と認識し始めているんだ。
それでいい。それが一番幸せなんだ、きっと。