常識の死んだ部屋びくんびくんと身体を震わせて動かなくなった彼。おそらく死んだのだろう。けれどしばらくすれば生き返る、仮初の死だ。
両目共に潰れ、鼻は引きちぎれ、口があるはずの場所には真っ赤な穴があるだけ・・・
こんな滅茶苦茶で酷い有様な顔が、少しずつ回復していく様を見るのが、実はちょっぴり楽しみだったりする。
そうして回復して最初に見るのが僕で、耳にする声も僕で、声を掛ける相手も僕なんて、そんなの、そんなの・・・
「・・・たまんないなぁ」
口があるはずの場所に唇を寄せれば、ぬちゃりと唇に血だか油だかわからない液体が付いた。