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福沢玲子




「細田先輩、お菓子あげます!」

「有難う福沢さん」

休み時間にわざわざ二年生の教室までやってきた一年生の福沢さんは割と頻繁に僕にお菓子をくれる人の一人だ。

何時も悪いなと思いつつ、渡されたら受け取らないのも失礼だからと全て有難く受け取っている。

「これ美味しいんですよ、食べてみてください」

今すぐにでも食べて欲しいのか期待の籠った目で見つめてくる福沢さん。体系のせいで勘違いしてるのかもしれないけれど、僕は普段そんなに食べないんだよな・・・間食とかもあまりしないし。

「食べないんですか?」

「ううん、食べるよ。有難う」

でも後輩の期待を裏切るのも何だか悪いから、包みをぺりぺりと破いて中身を口に入れた。

それをじっと見つめている福沢さんに若干の食べにくさは感じるけど、お菓子は美味しい。

「美味しいよ、福沢さん」

「良かったぁ!細田先輩なら絶対そう言うと思って、昨日買ったんですよぉ」

「わざわざ?何かごめんね」

「細田先輩が食べてるとこ見るの、私大好きなんで」

そう言いながら福沢さんはうっとりした顔で僕のお腹を撫でて来た。

何時しか「お腹に顔をうずめさせてください」なんて言い出しそうだな。まぁ福沢さんは女の子だからそういうのはないか。


(皆ホントに好きだね)




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