荒井昭二
「細田くんはぷにぷにですね」
「そういう体質なんだよ。普段あまり食べないけど、何でかこうなっちゃって」
「僕は好きですけどね、この感触」
そう言いながら僕の手と言わず二の腕、果てにはお腹までむにむにし始める荒井くん。心なしかその顔は幸せそうに緩んでいて、そのせいでなかなか拒めないでいる。
知り合った当初からやたらと僕のお肉を気にしていた荒井くんが「触らせてください」と腰を九十度に曲げて頭を下げて来たのはつい最近のことで、許可してからは割と頻繁に触ってくるようになった。
別に良いんだけどね。ただ凄い揉まれるけど。
「・・・お腹に顔をうずめて良いですか?」
「本当に好きだね、荒井くん」
許可を求めながらも既に僕のお腹の高さまで屈んで腰に腕を回してくる荒井くん。期待したように僕を見上げてくるものだから、今更駄目なんて言えない。
いいよと言う代わりに苦笑しながら頷けば、荒井くんは「貴方だからです」と笑いながら僕のお腹に顔をうずめてすりすりと頬擦りをした。
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