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緑谷出久の場合




緑谷出久さんが閉じ込められたのは
「一緒に閉じ込められた相手のスリーサイズを測るまで出られない部屋」です。
頑張って脱出しましょう。



「変な部屋だね。でも、僕も名字さんも男だし、こんなの簡単ですね」

「そ、そうだね」

緑谷くんは置かれていたメジャーを手に笑う。僕は笑えない。

ほら、緑谷くんって小さそうに見えて意外と身体しっかりしてて、逆に僕は見た通りの貧弱な身体・・・

別に測られること自体は恥ずかしくないけど、その結果が恥ずかしいことになりそうな気がしてならない。

「あのさ、緑谷くん・・・僕が測っても良い?」

「え?あ、はい。良いですよ」

何の抵抗もなしに僕にメジャーを渡してくれた緑谷くんに心底ほっとしつつ「じゃ、測ろうか」とメジャーを伸ばした。

結果、部屋の扉はあっさり開いたけれど、僕の心は明らかに重傷だった。

「えっと、名字さん大丈夫ですか?」

「うん、平気・・・ただ、ちょっと自分が情けなくなっただけ」

「えーっと・・・一緒に走り込みとかしますか?」

「駄目、たぶん死んじゃう」

僕が緑谷くんの肉体に近づこうなんて、夢のまた夢だと思う。




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