坂上修一
「細田先輩が手伝ってくれて助かりました!一人じゃイマイチ自信が持てなくて」
そう言って添削が終わった原稿を片付ける坂上くんに「役に立てたなら良かったよ」と返事をした。
日野先輩に用事があって新聞部室に行けば、後輩の坂上くんが一人で新聞の添削作業をしているところに出くわし、自然と手伝う流れになった。
まぁ誤字脱字を探す添削作業を一人でやるなんて、一年生の坂上くんには不安でしかなかったのかもしれない。
因みに僕の目的だった日野先輩はどうやら先生に次の取材活動の許可を取りに行っているらしく今はいない。部長ではないらしいけど、部長並みに働いているなと思う。
「日野先輩はもうちょっとで帰ってくると思うんで。あ、お茶とかお菓子とかどうですか?実はこっそり備蓄してるんですよ」
美味しいお菓子がありますよ!と目を輝かせながら言う坂上くんはなんとなく福沢さんと同じような勘違いをしてる気がする。まぁこんな体系だから食べるのが好きだと思われるのは仕方ないか。
それにしても坂上くん、さっきからちらちら僕のお腹を見てる気がする。触りたくてうずうずしてるのか、手が伸びかけたり引っ込んだり。
「いいよ、触って」
僕がそう言うと、やっぱりお腹に触りたかったらしい坂上くんはパッと目を輝かせてお腹に触れてくる。
「わっ・・・や、柔らかい」
「皆よく触るんだ。そんなに良い?」
「触ってると何だか凄く落ち着きます」
あまりに幸せそうに言うもんだから「そっか」と笑う事しか出来なかった。まぁ可愛い後輩が喜んでくれるなら、甘んじて受け入れよう。
「・・・あのさ、坂上くん。そろそろ良い?」
「もうちょっと、もうちょっとだけ・・・うっ、手を離そうとするのにまた触れてしまう謎の中毒性!」
「もうちょっとだけだからね」
僕のお肉に中毒性があるとは知らなかったな。
(甘んじて受け入れると言っても、流石にちょっと限度がある)戻る