ネタ『ラッキースケベが冬木を救う話。』主の場合
※元ネタ『ラッキースケベが冬木を救う話。』。
「突然こんなお願いをしてしまい、申し訳ない・・・」
「あぁ、いや。別に予定とかなかったんで。っつーか教会も大変っすね、イベントのたびに飾り付けしなきゃなんないとか」
ちらりちらりと自分を見てくる綺礼になど全く見向きもせず名前は作業を進める。
前回修理屋のバイトで此処を訪れた時はちょっとしたハプニングがあったが、そこは割愛。今回はそのバイトとは別にこのクリスマスの飾りつけ仕事を引き受けた。
綺礼が支える脚立に乗り高い場所の飾りつけをする名前。綺礼からの熱視線にまるで気付いていない様子だ。
「クリスマスといえば、この間同僚が言ってたんすよね。クリスマスに彼女に言われてみたい台詞。まぁ俺もソイツも彼女なんていないんすけど」
「・・・そうなんですか」
「そうっすよー。毎日バイトばっかりしてっと、そういう出会いも無いっつーか。その台詞ってのがまたベタで・・・」
「どんな台詞なんですか」
綺礼がそう尋ねたところで、名前は笑って言った。
「プレゼントは私っすよ、神父さん」
その瞬間綺礼が露骨に動揺した。
「えっ」
動揺は綺礼を脚立から遠ざけ、突然支えを失った脚立はぐらりと揺れる。突然の揺れを感じた名前が冷静でいられるわけもなく「うわっ!」と声を上げそのまま床へと転倒した。
「だ、大丈夫ですか!」
ハッとして名前に駆け寄ろうとした綺礼。足元に転がっていたクリスマスの飾りつけの一つを踏みつけ足を滑らせ、無防備に床に転がって名前の方へ――
「うぶぅっ」
綺礼の鍛え上げられた、なかなか筋肉量のある大胸筋が顔面に落下してくる結果となった。
(ごきっと首が嫌な音を立てた)