本気になるなんて
俺自ら進んで入ったわけではない。その
場所に吸い寄せられ、まるで水を得たさ
かなのように心が躍った。時が永遠続け
だとか、永遠に繋がっていたいだとかを
何度この口は繰り返しただろうか。
本当にそう願った。妖精の微笑みに容易く
気持ちを煽られ、女神の歌声が囁くまま
に、なんの戸惑いもなければ自尊心すら
ない。黒く汚れた魂を彼女たちが吸い上げ
るのを心地よく、その光景に疑問も
なく。親父もこの光景に中に消えた
んじゃないか、思えば更に心は安らぎを得
て、意識は風の中へと消え入った。
「何してんだよい」
「...マルコか」
そうか、俺は
「自室で血まみれか、気持ちわりぃ。
さっさと医務室か風呂にでも入れ、イゾウ」
死ぬところだった。
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