[洋三+鉄]

今日はとても天気が良く、程好く風もあり絶好のサボり日和だ。

もうとっくに午後の授業が始まっている時間だがそんなのお構い無しに本来立ち入り禁止の屋上への階段を登っていく。

部活が始まるまで昼寝でもしてるか、と考えながら扉を開けた。
そこには、

先客がいた。




「お、ミッチーじゃん、またサボり?」

そこにいたのは桜木の仲間の水戸だった。

「てめぇもだろうが。つか煙草くせぇよ、煙い。」

ごめんごめんと軽く謝りながら携帯灰皿にまだ少し長めの煙草を押し付けた。


ごめんのごの字も感じられねぇよ…へらへらしやがって。


水戸の煙草の臭いは気に入らない、とてつもなく気に入らない。

別に臭い自体は嫌ではないのだが、水戸が吸う銘柄の煙草の臭いが嫌いなのだ。

アイツの、鉄男のと、

同じだから。






「ミッチー?どうしたの?」

っ!
び、びっくりした…っ

ふと自分を呼ぶ声がする、と顔を向けると水戸の顔が目の前にあった。

「お、まっ、顔近ぇよ!」

ぐいぐい体を押してもビクともしない。
俺より小せぇくせに!

「オイ、まじでど「ねぇ、誰の事考えてたの?」

答えて、と問いかける水戸は顔は笑っているのにその目はどこまでも冷たく、嫌な汗が背中に流れた気がした。

「誰って…、」

「あの人の事だよねきっと。あのテツオって人。」

鉄男

その言葉に反応してついビクッと肩が震えた。

「もしかしてさ、テツオって人と俺のタバコの銘柄、同じだったり、する?」

あぁ、何なんだこいつ。
何もかも見透かされているような気がしてとても居心地が悪い。

「へぇ、やっぱそうなんだ。」

なんかムカつくなぁ。
その言葉を発したと同人に唇に生暖かい感触。

ああ、本当に何でこんなことになったのだろう。
俺はただ昼寝がしたかっただけなのに。
なのに何でこいつと、
キスなんか、
してんだろう、俺。


「どう?俺とのキスは。」











あの後、またしようね。
と、憎たらしく笑ながら屋上から消えていった。

アイツとのキスは最悪だ。

もう二度としたくない。



だって、


だってよぉ…、


アイツの口の中、


鉄男と、






同じ味がすんだ。









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鉄男が忘れられない三井サン。

鉄三も美味しいですよねもぐもぐ。


お題配布元:378