それは本当に突然で






三井サン三井サン!!


「俺、アヤちゃんと付き合うことになりました!!」


瞬間、咄嗟に言葉が出なかった。

否、出せなかった。










所詮、片想い。

そして、同性。


その相手には自分以外に好意を持っている異性がいる。
初めから解っていた。
自分に勝ち目がないことぐらい。
それでもいつかは…と、心の何処かで願っていた。



彼は言う。
自分に一番最初に伝えたかったのだ、と。


その無邪気な笑顔が、今の俺には鋭く尖った槍となって、心臓に、
深く、
深く、
突き刺さる。








次の日からあの2人を一緒に見かけることが多くなった。

勿論、登下校も一緒。


特別約束をしていた訳ではなかった。
でも毎日アイツと一緒に帰れるのは嬉しかった。
朝会えばその日は1日気分が上がった。


でも全部、全部全部、
無くなった。

いとも簡単に、
俺達はただの先輩、後輩の関係に

なってしまった。








人を好きになるということは、

誰かを想うということは、

こんなにも、




辛く、

儚いものなのでしょうか。





それは本当に、本当に突然で、

俺の隣に君が居なくなった、ある日の出来事―。



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(この心の隙間は誰が埋めてくれる?)