ss
▽
「寒い…」
総司と喧嘩した。
由香ちゃんの顔も見たくない。イライラする。帰って。
そう、感情のない言葉で言われ、家を追い出された。
もしかしたらこのまま振られちゃうのかもしれないな…
だって総司の翡翠色の瞳はものすごく冷たい色をしていたから。
何も考えられないままトボトボと駅に向かって歩く。
すると突然、後ろから思いきり腕を引っ張られた。不意打ちだったので驚いてそのままバランスを崩す。
転ぶ――!そう思った瞬間、私の身体は知ったぬくもりに包まれた。
「…総司?ど、して……」
「………」
「私の顔見るとイライラするんじゃなかったの?」
「…するよ」
「じゃあなんで…」
「ねぇ、って言って、なぁに?って返事がないほうがイライラするんだもん」
「総司…」
「ごめん。お願い、帰ってきて」
ベタですけどね、ベタですけどね。
総司にこんなこと言われたらすぐ帰ります。
▽
「新八、眠れな…」
「よーし!眠れないなら眠くなるまで腹筋するぞ!!」
「あ、やっぱ眠れそう。うん、すぐ寝れる」
がっかりする新八もかわいい
▽
「土方さん、眠れないよぅ」
「ああ、そうか」
「何それ、冷たくない?」
「ああ!?お前が眠れなくても俺は眠いんだよ!」
「ひどい!なら左之さんに添い寝してもらおうかな」
「!!」
「それか総司…」
「あー!わかった!わかったよ!!添い寝してやりゃあいいんだろ!ったく!よしよし!」
よしよし!と背中バンバンされたい。
結局は甘いよね、土方さんてば。
▽
「はじめくん、眠れないよぅ」
「そうか。ならばあんたが眠れるまで添い寝してやろう」
よけいに眠れねーっつーの!!
▽
「左之さん、眠れないよぅ」
「なんだ、お前もか」
「さっきから羊数えてるんだけど全然眠くならない」
「よーし、じゃあ脱いだ脱いだ」
「え?ちょ、え!?左之、左之さんてば!!」
「羊が一匹…なんて数えてるよりも、俺に一突き、俺に二突きされたほうがいいだろ?」
眠いのに眠れない
▽
左之さん好きすぎて浮気妄想
歳さんを裏切るわけにはいかないもの!
しかも彼の同僚とだなんて。
でも…最近の私の目はなんだか歳さんを向いていない。
気付けば左之さんを追っている。
もともと飽きっぽい私。3年目の浮気、なんて歌があるが、その気持ちに少なからず理解を示してしまうのは確かだ。
そしてそんな私に…
歳さんは何かを感付いているようだった。
「…左之が気になるか」
突然のその真っ直ぐな言葉に思わず男に貫かれていた身体がピクンと反応した。
「な、んです、急に…」
「左之のこと、好きなのか」
先程の言葉よりも真っ直ぐに。そして核心をつく無駄のない言葉。
……ああ。聡い歳さんのこと。私の移ろぐ気持ちを最初から見抜いていたのだろう。
ここで…嘘をついてもきっと無駄だ。そしてその嘘はこの男を傷付けてしまう。
そうじゃなくてもすでに…男の表情からはいつもの自信は消え、まるでまさに今、捨てられる子犬のように寂しげな瞳をしているもの。
「ごめ…、ごめんなさい……」
自分の汚い気持ちに声が掠れた。
これから先、私には歳さんだけと心に決めたはずだったのに。
いとも容易くその気持ちを覆す自分に嫌気が差した。
「わ、たし…わたしは…」
「由香」
しかし…そんな私に降ってきたのは、思いがけない男の優しい声。
驚いて瞳を見据えれば、そのまま男は静かに笑った。
「いいぞ。左之んとこ行っても」
「え」
「おめぇの気持ちを留めておけねぇ。俺はそこまでの男だったってぇことだ」
「……歳さ、ん」
「仕方ねぇ……俺にはもったいねぇくれぇの女だったよ、おめぇは」
「………」
「この手で幸せにしてやれなくて悪かった」
気のせいかもしれない。私の思い上がりかもしれない。
そう言った歳さんの瞳の奥はなんだか泣いているようで。
ガツンと頭を殴られた気がした。
こんなにも歳さんは私を愛してくれて。
こんなにも歳さんは私の幸せを願っていてくれて。
なのに私は…、私は自分のことだけしか考えていなかった。なんて…馬鹿な女なんだろう。なんて最低な女なんだろう。
……この男を幸せにしてやりたい。
目の前のこの男を。私の手で幸せにしてやりたい。
そんな思いが素直に心の中を駆け抜けた。
「と、し…としさん…」
あああああ!!!!やっぱ歳さん好き!!大好き!!!!!
勢い余って長編のスピンオフみたく書いてみましたが、もう途中から胸が苦しくなったアホは私です。左之さんは一発ヤレればいいや。
やっぱ歳さんが大好きです。
▽
ここなら人目につかない。
そう思って現代から共にタイムスリップしてきた水着に着替え、井戸から汲んできた水を思いきり浴びる小娘。
「あ〜!気持ちいい!!」
「お、おい!」
振り返ればそこには……
☆晋作さん☆
「なんだ!楽しそうだな!!よーし、俺様も混ぜろ!!」
楽しく水の掛け合い。
が、調子に乗った晋作さん。小娘に抱きつこうとして滑ってこけそうになる。
指先は小娘の水着の紐に。紐はなんなくほどけ、オッパイぽろんの小娘。
目がオッパイになる晋作さん。
小娘に渾身の一発をくらえばいい。
「我が人生に悔いなし」とか地面に書いてパタリしたらなおいい。
☆左之さん☆
「お。行水か。気持ちよさそうだな」
「左之さんも一緒にどう?」
「んじゃ遠慮なく」
バシャバシャ楽しそうな二人。褌いっちょの左之さん、褌の中身は凄そうだ。
どこからもってきたのか氷を取り出す左之さん。小娘の首筋にひやり。
ピクリと身体を震わせ、思ったよりも甘い声が出てしまう。
「なんだ?感じたか?」
「ばか////」
思わず左之さんの手を叩けば、その手の中からすり落ちる氷。その氷は小娘の水着の中に。
再び甘い声をあげる小娘に左之さんのスイッチオン。
「取ってやるよ」
水着のカップを人差し指でずらし、唇を這わせる左之さん。
「…これか?氷は」
「やっ…、あ、ち、がうっ…」
きゃっきゃうふふ〜なんてしてるところを暑さでイライラしてる土方さんに目撃される。時が止まる。
そんで雷落とされるも、左之さんの褌はパンパンになってるといい。
おーきの総司は正面から笑顔でオッパイ揉んでくるといい。
「なに?僕を誘ってるの?」
はじめくんは焦ってすってんころりん。オッパイに顔を埋めればいい。
「すすすすすすすまない/////!!!!!」
新八さんは小娘を妹的立場にしか思ってなかったが、ここで恋心が芽生えるといい。
「(くそ、なんで俺はこんなに胸が高鳴ってんだ?)」
幕恋総司は真っ赤になって謝る。
「す、すみません////!む、むう〜/////!!どこにいるんだ〜////!?」←むうを探すふり
大久保さんは「ふん。水遊びで喜ぶなんてやはりまだまだ子供だな」なんて悪態ついて踵返すが、内心は小娘のナイスバディにドキドキしてればいい。
▽
登場人物
オヨ(小娘)
慎太
以蔵
晋作
小五郎
大久保
「私、Twitterやることにしたの!みんなもやらない!?」
「つ、Twitterッスか?」
「なんで今さらTwitterなんぞ…」
「だってみんなやってるんだもん!いつのまにか流行りに乗り遅れちゃった」
「オヨさん。そんな無理に流行りに乗る必要はないんじゃないかい?」
「でも…」
「よし!面白そうだ!俺もTwitterやるぞ!!」
「た、高杉さん!?」
「やったー!!じゃあこれからじゃんじゃん呟こうね!!フォロワーさんも頑張って作るぞー!!」
「ふん。どうせ三日坊主で終わるのだ」
***
3日後
「慎太」
「ん?どしたの以蔵くん」
「いや…つ、Twitterってどうやって見るんだ?」
「え!!?」
「い、いや、俺はやらないぞ!?やらないが、オヨがどんな呟きをしてるのかと思って…だな…」
「それは私も気になるな」
「あ!桂さん!」
「ついでに晋作の呟きも知りたいしね」
「じゃあちょっと覗いてみましょうか!!ええとTwitterは…」
慎太のケータイをガン見する以蔵、桂さん
「あ!姉さんのアカウントあった!!」
「な、なんて呟いてるんだ!?」
「もしかして桂さん素敵、とかかなふふふ…」
「……ポッキーうまい」
「「え!?」」
「ポッキーうまい。そう3日前に呟いたっきり、もう呟いてません」
「ど、どれ!?……しかもあいつ、フォロワーたくさん作るとか言ってたくせに、フォロワーひとりもいないじゃないか…」
「……これはもう完璧に飽きてるね、オヨさん」
「ポッキーうまいと一言だけ呟き、フォロワー0で終了ッスか…姉さん……」
「ま、まぁ、あいつらしくていいんじゃないか」
「岡田くん、それはフォローしてるのかい?Twitterだけに。ふふふ…」
「「(さむっ!!)」」
***
「ちなみに晋作はなんて呟いてるのかな」
「ええと、高杉さんは………か、桂さんは見ないほうが…」
「ふふふ、どれ、ケータイ貸してごらん?」
「(か、桂さんの目からのビームがっ!!)」
「(だ、大丈夫か!?慎太!!)」
「どれどれ……小五郎にまた怒られた。明日は小五郎に雷が落ちますように」
「「……」」
「小五郎め、また俺様にゲンコツ落としやがった。明日は小五郎に槍の雨が降りますように」
「「……」」
「…中岡くん、岡田くん。急用を思い出したので私はこれで失礼するよ。では」
「………桂さん、目が笑ってなかったね……」
「あ、あぁ。高杉さん…惜しい人を亡くしたな」
***
「あれ?このアカウント…」
「ん?なんだ?」
「@toshimi-chiooku-bo」
「としみーちおおくーぼって…」
「「…大久保さん?」」
「な、なんで外国人風の発音なんだろう…」
「知らん。で?大久保さんはなんて呟いてるんだ?」
「今日は新作を買ってみた。効果が楽しみだ」
「なんだそりゃ」
「わかんない……心なしか使うとスッキリする気がする」
「まったくわからんな。ちなみに誰をフォローしてるんだ?」
「ええと……スカルプ?」
「スカルプ?……そ、それって…」
「…も、もしかして……さぁ立ち上がれぇ〜髪の毛たちよ〜…」
「スカルプDで〜頭皮に優しく〜……ッ!?」
「楽しそうだな」
「「おっ…!!!」」
「だがそれまでだ。私の秘密を知ってしまった以上、覚悟はできているのだろうな?」
ええと、半端な終わり方ですみません。
これね、実話なんですよオヨさんの。
以前、茶屋でこの話を聞き、腹が捩れるまで大爆笑!!だってポッキーうまいの一言…wwwww
この話、ネタとして私にくださいとそっこーでお願いしました。だいぶ時間がたってしまいましたが。
でも私の文章だと面白さ半減ですよね(涙)
とにかくね、一人で爆笑しながら書きました。
オヨさんの安産祈願に。
▽
「さて…お風呂も入ったし、もう寝るかな」
ダダダダダダ…!!!
―スパンッ!!!
「きゃっ!!」
「小娘!もう我慢できん!夜這いに来たぞ!!」
「も、もう////!!晋作さんてば////!!」
「………」
「……れ?し、晋作さん?」
「……お前、誰だ?」
「へ?な、何言って……小娘、だよ?」
「違う!!」
「ち、違くないってば!」
「違う!!俺の嫁はもっと眉毛もあるし、目もでかい!!睫毛はもっと長いし鼻筋だって通ってる!!それに唇はぷるんとした桜色だぞ!!!」
化粧って怖い
▽
「オオオオオ!!!俺の煙草どこだコノヤロー!!!」
「これですか?土方さん」
「なんでテメーが持ってんだよ!!寄越せコノヤロー!!!」
「嫌です」
「あ゛あ゛!?」
「抱いてくれたら渡しますけどどうしますか」
「なんだその交換条件!!」
「あ、じゃあこの煙草は根元からポッキリいっちゃっていいですね。サヨナラた〜ば〜こ〜」
「あ!おい!!」
「なにかね?十四郎くん」
「くっ…!テメー…」
「どうする!?どうする!?」
「ちっ…仕方ねぇ。抱いてやる」
「え!?マジで!?」
「ああ。ほら脱げ早く」
「わ、わかった////」
「大丈夫だ。優しく抱いてやる…………と見せかけて月にかわってお仕置きでごさるよ小娘氏!!!!」
「ちょちょちょ!!なんでトッシー!?」
画力がほしい(涙)
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