『見付けた!私の光る君!』

大理石の廊下を歩いていると後ろでそんな言葉が聞こえた。

何だろうと思い振り返ると頬を僅かに赤くした黒髪の女の子が僕の方を指差してにこにこしている。

側にポッターたちを引き連れて。

ポッターたちと目が合うと思いっ切り嫌そうな顔をされた。

僕だって嫌だ。指差してくる少女のセーターをよく見るとグリフィンドールのライオンが刺繍されていた。

フンッと鼻を鳴らし僕はまた歩き出す。

後ろでグレンジャーがきぃきい叫ぶ声がした。早く寮へ帰ろう。

ところで光る君って何だ?


「ちょっと、名前の言う光る君ってマルフォイなの?どこが格好良いのよ!」

『金髪が日の光に照らされているのを見て正に光る君だと思ったんだけど…』

「もう、貴女本当に『源氏物語』を読んだの?」


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