第一の課題を翌日に控えた日の一限目は薬草学だった。
クリスティーヌが第三温室に着くとハーマイオニーはいたがまだハリーは来ていないようだった。

『おはよう、ハーマイオニー。ハリーはどうしたの?』
「先に行っててって。すぐに行くと言ってたからもうくると思うけど」

ハリーの分のスペースは確保したものの結局来ないまま授業開始のベルが鳴りスプラウト先生が温室に入ってきた。

今日の授業内容を話し終え作業に取り掛かろうとしたちょうどその時、ハリーは到着。スプラウト先生に遅れた旨を謝って席に着いた。

「ハーマイオニー、クリスティーヌ。助けて欲しいんだ」

「ハリーったら、私達、これまでだってそうしてきたでしょう」

ハーマイオニーが小声で答える。

「『呼び寄せ呪文』を明日の午後までにちゃんと覚える必要があるんだ」

『呼び寄せ呪文?』

「詳しいことは後で話すよ。第一の課題の解決の糸口が見えそうなんだ」


薬草学の授業が終わるや否やハリーはムーディ先生のアドバイスを二人に話し、昼食を取る時間を惜しんで空いている教室に行き『呼び寄せ呪文』の練習をした。

先ずは小さくて軽い羽根ペンや本から始めた。それでも教室の隅から自分までの途中でストンと落ちてしまう。

「集中して、ハリー」
「これでも集中してるんだ…よーし、もう一回…」

ハリーは占い学をサボって練習を続けたかったが、ハーマイオニーは数占いの授業を欠席することをきっぱり断った。
クリスティーヌと続けようとしたが、休息も必要だと諭され一時間以上、トレローニー先生の授業を堪えることとなった。

占い学のあと、昼間に使用していた教室で再び『呼び寄せ呪文』の練習を再開したが、ピーブズが現れ練習の妨害をしてきたのでグリフィンドールの談話室で練習をすることとなった。
真夜中の時間だったのでありがたいことにそこにはだれもいなかった。
そして時刻は午前2時。遂にハリーは『呼び寄せ呪文』のコツをつかんだ。

「ファイアボルトはここよりずっと遠いところにあるんだ。城の中に。僕は外で競技場にいる…」

ハーマイオニーが大喜びする横でハリーは心配そうに呟いた。

『関係ないわ。集中すればファイアボルトは飛んでくる。ハリー、貴方少し寝た方がいい。貴方に一番必要なのは睡眠よ』

クリスティーヌの言葉に「そうね」とハーマイオニーが頷くと三人はそれぞれの寝室へと足を運んだ。

クリスティーヌは寝室に戻ると緊張の糸が切れたのかそのままベッドに倒れるようにスッと眠りにつくのであった。


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